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私が新南小学校を卒業した1973年春、卒業生150人がレンガに顔を彫り、それをA組担任の田中次郎先生が学校の中庭に積み上げ、トーテムポールを造ってくれました。中は空洞で、それをタイムカプセルに見立て、「20年後の私へ」の作文や、修学旅行の思い出、自画像、写真、書道作品を入れました。しかし、20年後に開封するはずが、気が付けば30年以上。1年ほど前にやっと「学年で集まり、タイムカプセルを開封しよう」と話が出ました。 私は石材店に嫁いでいたので、解体と、記念碑制作の依頼を受けました。同窓会は8月11日。その2日前に主人と職人さん2人、それに長男の大、次男の顕が作業に行きました。 トーテムポールは1段に15個のレンガを円形に並べ、それを10段積み上げたもの。解体だけなら機械を使えば簡単ですが、クラスメートが心を込めて彫ったレンガを壊さないようにと、ノミで一つずつ取り外してくれました。下の段はコンクリートがギッシリ詰まっていて、大変だったようです。長男は今年から家の仕事を始めていますが、次男はまだ高校生ですから。 主人は「次の日、箸を落とすぐらいしんどかったけど、嫁さんの卒業記念のトーテムポールを息子と一緒に解体するとは思わんかった」と言ってくれました。 同窓会の時は、赤御影石を本の形にし、「友情」と書いた記念碑を除幕した後、主人たちが1日がかりではずしたレンガを、同級生たちが喜んで記念に持って帰ってくれました。 なお、中から出てきた私の作文は雨水にぬれボロボロでしたが、「将来は子供洋服店を開きたい」とあるのが読めました。私の実家の商売です。別に意識していなかったのですが、やはり親の姿を見ていたのでしょう。 私自身も3人の息子に「家業を継いで」とは言ってませんが、3人とも小学校の卒業文集に「石屋になりたい」と書いたのを思い出しました。 今回の解体をきっかけに、新南小学校の卒業アルバムを子どもたちに見せました。懐かしい思い出がよみがえると共に、家族がふれあう良い機会になったと思います。 (和歌山市 白樫〈旧姓・宮本〉愛弓) 写真=1つずつ取り外したレンガを手に |
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