和歌山大学 土曜講座 
「和歌山の光〜観光へのアプローチ」

       

◇新たなツーリズムへのアプローチ

 現在の観光は、都市住民のゆとり、やすらぎ志向や農林漁業体験、農山漁村交流へのニーズが高まっている。反面、農山漁村では高齢化・過疎化が進行し、活力が低下してきた。2002年9月、内閣府に設置された「都市と農山漁村の共生・対流推進会議」では、双方の人々の交流を盛んにすることで、都市と農山漁村の間で「人・もの・情報」が絶えず循環する社会を生み出し、ゆとりある生活の実現や、経済の活性化を図る取り組みがなされている。
 和歌山への旅の動向は、年間271万人、その64・4%は関西圏(大阪29・8%)である。また、宿泊旅行者数は、全国26位、満足度26位と、可もなく不可もなしである。和歌山への期待感は、温泉・食・やすらぎ・名所で全国的な傾向と同じであるから、和歌山らしさを出し、どう努力すれば和歌山でお金を使ってもらえるかを考えなければいけない。
 人もお金も東京へ集中している。東京にないもので地域は自立をしなくてはならない。そこで飯田市は農村ビジネスを考えた。人が暮らすところには文化がある。そして仮想ではなく本物をいかに提供できるかで勝負する。地方の良さは、お金をかけなくても四季折々に自然がリニューアルし、おじいちゃん、おばあちゃんと本物の心の交流ができること。一つの資源を片面からでなく、いろんな面から見る発想を大切にし、余っている土地や荒れた森林、お年寄りもすべてが固有資源として考えている。そう考えると世の中が少し変わって見えてこないだろうか。ぜひ、地方はそれぞれの資源を探して、それを活かす発想と努力をしていただきたい。 
 今、限界集落どころではなく高齢化率100%という集落が全国に山ほどある。住んでいる人も、このまま放っておいたら自分たちの地域が無くなる危機感を持たなければいけない。最大の敵は無関心であろう。
 飯田市では、70歳以上の方々がいきいきと学んでいる。人生そのものが学びとなり、年齢を重ねてもなお生涯学習を楽しくできる環境が素晴らしいと思う。生涯学習に卒業式はない。自分の地域を見直すことや他の場所を見ることは、地域を振り返る旅であり、地域資源の再発見につながるであろう。
 (井上弘司・長野県飯田市企画部企画幹、文責=仲岡儀員・和大生涯学習教育研究センター研修員)

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 和大とニュース和歌山は、毎月原則第1土曜に和歌山市西高松の和大生涯学習教育研究センターで土曜講座を共催しています。次回から後期「ヒトが育つ関係づくり」が始まります。10月6日(土)午後2時、テーマは「市民に支えられる先端医学にむけて」で、講師は理化学研究所の西川伸一さんです。