自然、歴史、文化がテーマ
和歌浦で市民サミット
次世代に継承できる地域を

       
 和歌浦を舞台に活動する市民グループが集う「和歌浦湾いこかぁサミット」が10月14日(日)から3週連続日曜午後1時半に、和歌浦地区の旅館で開かれる。「観光・健康」「文化発信・まちづくり」「自然・環境」のテーマごとに活動事例発表とパネルディスカッションをする。企画したわかやまヒューマンカレッジアフターの会の宮下啓司さんは「和歌浦を拠点とするグループはいろいろあるが、一緒に盛り上げようとはなっていないのが現実。サミットが共に活動するきっかけにしたい」と考えている。
 いこかぁサミット開催は、今年が森田庄兵衛が新和歌浦の開発を始めた1907年から100年経過したこと、また、和歌山大学経済学部に観光学科が設置されたことがきっかけ。地域の自然、歴史、文化を研究し、話し合う中で、次世代に継承できる地域づくりをしようと計画した。
 テーマ別に、関連する和歌浦地区の旅館を会場に設定。パネルディスカッションはヒューマンカレッジ〜の足立基浩代表がコーディネートする。
 14日は「観光・健康」がテーマで、会場は新和歌浦の萬波。地元、西浜中学出身のミステリー作家、前田朋子さんが講演し、和歌浦の歴史を研究する薮信明さんが「森田庄兵衛はなぜ新和歌浦を開発したのか。勝算はあったか」などを話す。また、万葉薪能の会や観光医療産業創造ネットワーク、特別養護老人ホームわかうら園の理事長らが取り組みを発表する。
 前田さんは和歌浦を題材にした小説を発表しているほどで、「子どものころから和歌浦に思い出は多い。いろいろな話を通して、ここの自然がどれぐらい健康に良いのかを解明することにつながれば」と思いを込める。
 10月21日は「文化発信・まちづくり」をテーマに、田野のシーサイド観潮で実施する。まず、雑賀崎の漁業集落が抱える高齢化、過疎化問題を調査してきた和歌山大学システム工学部の本多友常教授が講演。地域の相互扶助が薄れつつある中、現状を分析しながら今後のネットワークのあり方を考える。また、和大教育学部の米田頼司准教授が雑賀崎の成り立ちを、和歌浦湾海業の事務局を担当する谷吉哉さんが活動を報告する。
 10月28日は「自然・環境」をテーマに、金属団地用の埋め立て地を望む雑賀崎の双子島荘で開催。雑賀崎の自然を守る会が結成された経緯や、地区の保全活動をするトンガの鼻自然クラブについて宮下さんが話し、和歌山工業高生がカゴバ台場の測量体験などを発表。さらに、埋め立て問題が起きている広島・福山市の鞆の浦でまちづくりに携わる松居秀子さんが現況を語る。
 宮下さんは「和歌浦に根ざし地域を考えるグループは数多く、活動内容はいずれも素晴らしい。しかし、なかなか一緒に活動する機会がなく、全体を見た時、『これで良いのか』と思った」と説明し、「サミットを市民団体や地元商店、住民らが同じテーブルに着くきっかけにしたい」ときっぱり。また、「和歌浦で遊んだり、泳いだりした経験を持つ大人たちが地区の将来ビジョンを語ることで、次の世代に伝わってゆく。学生を始め、ぜひ若い人たちに聞いて欲しい」と願っている。

写真=雑賀崎の調査を元に将来を展望