湯浅で初の「醤油サミット」
重要伝統的建造物群保存地区選定の街並みPR

       
 「第一回全国醤油サミット」が10月27日(土)、10月28日(日)の2日間、湯浅町の湯浅小学校講堂や古い街並みが残る北町通りなどで開かれる。「醤油発祥の地」として知られる湯浅から魅力を発信し、合わせて昨年(2006年)12月に重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に登録された街並み(写真)のPRを図るもので、関係者は「醤油は日本の食文化を支えてきた。湯浅から、“醤油を生かしたまちづくり”の輪を広げたい」と話している。
     
◇講演やパレードでルーツ確認
    
 13世紀の中ごろに、由良町の興国寺の僧覚心が中国から径山寺味噌の製法を習得し帰国。その後、湯浅に味噌製法が伝わった。湯浅で味噌を製造している際、樽底に沈殿した液汁に着目し、売り出したのが醤油のルーツとされている。湯浅の醤油は、こいくちが特徴で、「刺身醤油」「たまり醤油」として人気は高い。
 醤油の町として発展した湯浅は江戸時代に入ると、西北部の北町、中町などに町家や白壁土蔵が並び個性的な街並みを形成した。明治時代には92軒の醤油メーカーがひしめいたが、その後、減少し現在は醤油メーカーは7軒。往時の賑わいはないが、昨年(2006年)末、北町など一帯約6・3ヘクタールが「重要伝統的建造物群保存地区」に和歌山では初めて選定され、注目が高まっている。
 選定を受け、同町はシンポジウムを計画したところ、他の醤油産地の町から「醤油サミット」の開催を呼びかけられた。醤油を通じたまちづくりを目指す18の自治体と醤油メーカー10社が集まり、「全国醤油産地市町村協議会」を作り主催する形で、サミット第一回を発祥の地である湯浅で開催することになった。
 「重伝建に選ばれ、湯浅を訪れる人は確実に増えている。サミットは町をPRする絶好の機会」と湯浅町まちづくり課。サミットは10月27日午後1時から、登録有形文化財の湯浅小学校で幕開け。オープニングや協議会設立総会の後、興国寺の鈴木裕禅さんの講話、東京農業大学の舘博教授の講演「日本の食文化を支えてきた醤油」など醤油のルーツを学ぶ内容が続く。
 翌28日は午前9時から、北町通りをパレード。興国寺の虚無僧が尺八の演奏、地区保存会が醤油造り唄と踊りを披露する。かつて醤油の運搬に使用していた大八車を再現して街を練り歩く。
 サミットの開催と合わせ、同日午後零時半から、湯浅中央公民館大ホールで「湯浅重要伝統的建造物群保存地区選定記念式典」を実施。同町重要伝統建造物群保存地区協議会の廣岡照秋会長は「選定で訪れる人が増え、まちづくりに関心のある人たちからの注目も感じる。街並み保存は住民の理解と結束が必要で簡単なことではなかったが、さらに保存につなげたい」と語る。
 28日には「鯖っと鰺まつり」が同時にあり、湯浅町の特産販売や、参加メーカーによる醤油と味噌販売もある。同町まちづくり課は「なんとなく使っている醤油の本当の魅力を知って欲しい」。湯浅醤油の新古敏朗社長は「醤油のルーツを和歌山で振り返るのは意義深い。ただ醤油は大手の安価な製品に押され、伝統的な製法で取り組む所は苦戦している。醤油のこれからを考えるサミットに育って欲しい」と期待している。
 問い合わせは湯浅町まちづくり課(0737・63・2525)。

写真下=大八車を再現する