自転車事故減に道路整備
モデル地区2カ所で実施

            
 国土交通省と警察庁は自転車通行環境整備のモデル地区に、和歌山市内の2カ所を選定した。自転車が関係する事故が急増し、走行中の携帯電話やヘッドフォンの使用禁止が検討される中、自転車と歩行者の事故減少を目指すもので、2009年度末までに一部を除き整備する。近畿地方整備局和歌山河川国道事務所は「効果があれば、他でも導入を検討していきたい」と話している。
◇歩行者との完全分離も
      
 自転車事故の増加を受け、昨年(2007年)6月に道路交通法の一部が改正され、交通弱者を守ることに重点が置かれ始めた。具体的には、自転車が歩道を通行できる条件の緩和、児童や幼児を乗車させる時にヘルメットの着用が保護者の努力義務とすることなどが盛り込まれ、近く施行される。
 自転車と歩行者が接触する事故は最近10年で約5倍に増加。県内では、02年から06年に発生した自転車が関係する事故は、交通事故全体の14%にあたる5903件。このうち約60%が和歌山市内で発生している。
 このような状況を受け、国交省と警察庁が対策に乗り出し、全国98カ所をモデル地区として整備することになった。道路に仕切りを設けたり、色分けすることで自転車と歩行者を分け、事故の減少を図るだけでなく、自転車を環境に優しい乗り物とし利用を促進する。
 整備するのは、和歌山市駅前地区(市駅から国道26号までの県道新和歌浦梅原線、市道雄湊西浜線、国道26号の一部を含む約700メートル)と、吹上砂山地区(県庁前交差点から小松原五丁目交差点までの国道42号、県庁前通りから砂山交差点までの市道雄湊西浜線、砂山交差点から国道42号を結ぶ市道砂山手平線の約2キロ)の2カ所。
 いずれも周辺に駅や病院があり、交通量が多い。特に国道42号周辺には、和大附属小中、桐蔭中高、吹上小や雄湊小、県和商高、西和中と学校が多く、また、日赤医療センターもあり、若者から高齢者まで多くの人が通行する。
 42号沿いでたこ焼き店を経営する宇治田美佐子さんは、道行く人の様子を見て、「電話やメール、しゃべりながら自転車で走っている人が多く、見ていて危ないと感じる。全国では死者がでており、交通マナーや命について真剣に考える時期になってきているのでは」。また、塾へ行く際によく通りを利用する中学生は「自転車で並んで走っているのをよく見かける。夕方は人が多いし、暗いので危ない」と話す。
 一方で、「日中の交通量は少なめだが、特に朝と夕方はいっぱいの状態。整備により自転車の走る場所を限定してしまうと、今まで以上の混雑が予想され、ルールが守られないなど新たな問題が起こる可能性がある」と懸念する声も。
 県警は「自転車も自動車に比べれば交通弱者になる。歩行者も自転車も安心して走れるよう、分離して、ルールを守って利用すれば事故減少につながる。整備に加え、ルールやマナーの定着を図りたい」と話している。

写真=整備とマナー向上で安全な道路を