和歌山のお産は今(3)
負担増す産科診療所
和歌山医療圏における周産期医療ネットワーク協議会会長
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山下 和哉
皆 産科診療所で働く医師の精神的、肉体的負担は大きく、分娩を取り扱わなくなった施設が年々増えています。和歌山でもここ数年で産科診療所は減少しました。それによって分娩を扱う数少ない診療所に妊婦さんが押し寄せ、満杯の状態になっています。
産科診療所はおもに正常出産を取り扱いますが、妊娠経過に異常が無くても妊娠中や出産時に突然、お母さんや赤ちゃんに異常が起こることはあります。医学の進歩により妊娠、出産の安全性が高くなり、赤ちゃんは正常に生まれて当たり前、お母さんは健康で当たり前の意識が強くなったため、いったん異常が起こったときには原因がすべて医療側にあるかのように追求されることもあり、医師の精神的な負担になっています。いつ始まるかわからない、いつ異常が起こるかわからない出産に24時間体制で対応しなければならず、肉体的負担も大きいです。
産科診療所のメリットは、医師だけでなく助産師、看護師が妊娠中を通して妊婦さんと深く関わり、安心した出産や育児のお手伝いができることです。最近は妊婦さんの自然分娩や母乳育児への関心が高く、助産師、看護師と妊婦さんの関わる時間が多くなり、家庭を持ちながら働くスタッフの負担も大きくなっています。
安心して出産をするためには、異常が起こった時にすぐに引き受けてもらえる総合病院(県立医大、日赤医療センター)との連携が重要になります。今のところ和歌山では受け入れ先が見つからず、問題が起こった事はありません。しかし、診療所の分娩がいっぱいで総合病院の産科にも正常妊婦さんが押し寄せると入院ベッドの空きがなくなり、救急妊婦さんを受けることができなくなる可能性があります。
診療所の医師だけでなく妊婦さんも安心するためには、診療所ができるだけ多くの正常妊婦さんを引き受けて総合病院の産科のベッドを空けておく必要があります。しかし、無理な分娩数を扱うことは医療事故の元になります。和歌山の診療所の医師は、可能な限りの分娩を扱っていますが、これ以上引き受けられない予定分娩数に達すると締め切りをしています。
今後、締め切っている診療所と引き受ける余裕がある診療所の情報を提供する相談窓口が開設されますが、安心して健診を受けるために妊娠が分かった時点でかかりつけの診療所を早く決め、診察を受けるようにしてください。
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