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和歌山県 農家民泊開設を支援

            
 農家などにホームステイし、農作業を体験したり、地域の人々と交流を楽しめる「農家民泊」が注目を集めている。和歌山県は、2006年から、「農家民泊施設等認定制度」を設け、民泊を行う農林漁家の支援に力を入れ始めた。県経営支援課は「都市と農村部の交流が盛んになり、体験型の農家民泊のニーズが増えてきている中、和歌山の豊かな自然を生かして、民泊を始めたいと考えている人の後押しになれば」と話している。
   
◇100戸目指し補助や規制緩和
    
 政府は昨年(2007年)、5年後をめどに、全小学校で在学中に全児童が約1週間農山漁村に滞在し、宿泊体験活動ができるよう、費用を補助すると発表した。来年度は全国で約230校がモデル事業として実施する。
 一方、県では2002年度から取り組んでいる「ほんまもん体験」が好調。06年度、体験型観光で県内を訪れた観光客は初年度の2・5倍となる25万8900人、また、来年度の「ほんまもん体験」を利用した修学旅行受け入れ予定は11校と、観光、教育の両面から体験型観光の需要が高まっている。
 県は06年5月に、「農家民泊施設等認定制度」を開始。認定は、定員がおおむね5人程度、農林漁業体験メニューを整備していることなどが条件で、これまでに紀の川市、那智勝浦町、有田川町で各1戸、日高川町7戸の計10戸が認定を受けている。認定されると、開設時の改修や改築などの経費の補助が受けられる。また、来年度からは認定民泊を県のホームページで紹介していく。
 昨年3月に初めて認定を受けた紀の川市の松山峰広さんは、今春に開業予定だ。体験農業の受け入れは4年前から行っており、松山さんは「何もないと思っていても、見直すと地域のいろんな宝物に気づく。田舎独特の自然や風習、食文化を外へ発信し、安心、安全な農業を伝えていきたい」と話す。
 松山さん宅では母屋の2部屋を宿泊に活用し、桃やブルーベリーの農作業のほか、石釜でのピザ作りなどが体験できる。また、ソバの栽培も始める予定だ。新鮮な野菜など食べ物のありがたみを感じることや、体験ももちろん民泊の魅力だが、「やっぱり人のふれあい、温もりが最も大事」と松山さん。「訪れる人には自分の帰る田舎だと思ってもらい、受け入れる側は都会にいる家族が帰ってきたと思えれば、うまくいくのでは」と語る。
 県は1月31日、農家民泊に関心がある人対象に「おかあちゃんの農家民泊研修会」を開催。紀の川市、かつらぎ町、橋本市、日高川町、串本町などから約100人が参加した。
 講師は長野県で「山村体験館たかやす」を営む伊東和美さん。1月29日に農林水産、国土交通両省が発表した「農林漁家民宿おかあさん百選」の20人にも選ばれている伊東さんは「都会の人は、田舎にきらきらしたものを求めてるんじゃない。ありのままの普段の生活を一番喜んでくれます」と民泊ならではの魅力を語った。参加した田邊千恵子さんは大阪からIターン。紀の川市で農業を営んでおり、「大阪に住んでいたとき、こちらを訪れて自然に触れたら、なんだかうれしくなったんです。そんな気持ちをたくさんの人に味わってもらいたい」と目を輝かせる。
 県は12年度までに100戸の登録を目指しており、同課は「今後、さらに多くの人に民泊を開業しやすいように、規制緩和の対象を広くするべく検討中です。講習会では、運営の仕方以外に、人とのかかわり方などソフト面の充実も図っていく」と話している。

写真=石釜の手入れなど開業に向け準備を進める松山さん