和歌山のお産は今(4)
安心・安全の新システム
和歌山市保健所長
・
永井 尚子
最近、医療現場の危機的な状況がよくメディアに取り上げられています。地域では、医療機関の機能分担と機能連携の充実・強化がどの医療分野でも求められています。
和歌山に“お産難民”をつくらないために、和歌山医療圏(和歌山市&海南市&紀美野町)の妊婦健診及び分娩に関わっている全ての医療機関が集い、この局面を乗り切る新しいお産システムを提案しました。目的は、(1)分娩を扱っている病院や診療所の負担が偏らないようにすること(2)特に、医大、日赤、労災などの2次・3次医療機関の正常分娩の負担を軽減することです。
具体的には、産婦人科の診療所が主体的に妊婦健診を担当します。そして、医大、日赤、労災病院と連携し、分娩は病院でします。つまり、「妊婦健診は診療所、分娩は病院」という役割分担と連携を推進し、地域全体として安心で安全なお産システムを構築しようとするものです。診療所の親しみやすさと、病院の充実した機能の双方を活かしたシステムです。
市民の皆様、 妊娠かなと思ったら、まず、「産婦人科のかかりつけ医」をもちましょう!
分娩を取り扱っていない産婦人科でも、妊婦健診をしている診療所は比較的数多くあります。ご自宅の近くなど、受診しやすい、相談しやすい「かかりつけ医」をもつことをお勧めします。妊娠の初期は、悪阻(つわり)や軽い出血など、特に初めての妊娠のときは不安なことがいろいろと起こります。かかりつけ医のきめ細やかな指導を受けて健康管理を心がけてください。
また、医療機関同士の情報連携が円滑にできるように、妊婦さんの健康管理情報を共有できる情報冊子の作成を進めています。医師も、助産師も、妊婦さんも活用できる、母子健康手帳の別冊のような『医療連携パス』を作成中です。
最近、保健所にも「お産できる医療機関を教えて」という問い合わせが入ります。数年前までなかったことです。和歌山市内では、すでに半年先まで予約がいっぱいの医療機関もあります。圏内の分娩予約情報を集約し、関係機関や市民に適切な情報提供ができるシステムが必要となっています。
3月開設予定の「周産期医療情報センター(仮称)」が核となり、システムの構築を進めていきます。私たちは、安心・安全なお産システムのある地域を目指しています。新システムの詳細は次週以降ご紹介します。 (毎週土曜号掲載)
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