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| ◇こねて、ぶつけて、通い合うこころ | ||||
| 大阪・熊取町・アトム共同保育園の五歳児のエピソードから、コミュニケーション力が育つ様子を話します。 子ども同士のケンカは、コミュニケーションの方法を学び、社会性を養う不可欠な体験です。おもちゃや場所の取り合い、「その言い方が腹立つ」とことばが原因などケンカのネタは尽きません。僕はこれにこだわる子です、こんなことがイヤな私ですと自己紹介しているのです。泣いたり怒ったりして気持ちに折り合いがつけられるところまでとことんやらせてあげることが大切だと思います。 最近、「コミュニケーションがとれない人が増えている」「すぐキレる」「人間関係を結べない人が多い」と言われますが、子ども時代から感情表現やケンカを繰り返しながら友だちを理解していく過程や体験がとても少ないか、全くないのではないでしょうか。アトムではこれらの体験を大切だと考え、子ども同士でのやり取りに充分時間をかけるので、お互いのことや友だちとの付き合い方、自分の個性の理解もよくできています。生後5、6年の日々が生み出す自己理解とコミュニケーションの力は驚くべきものです。 ケンカ、トラブルを起こさない、起こさせないことは個性を自己紹介させるチャンス、自己理解と他者理解のチャンスをなくしているようなものです。 子どもたちの「こねてぶつける」毎日が、人間の発達にとって大切なことだと見守ることができる親になるためには、親の学習の場が必要です。毎月のように行われるクラス懇談会が、親の学びの場になっています。「懇談会を重ねる毎に子どもの個性がわかってきた。個性がつかめると子どもとの付き合い方もわかり、必要以上の心配がなくなりとても子育てが楽になった」 懇談会では夫婦の問題、同居の悩み、職場のことなど生活上の悩みにも話が及びます。それらの話から家庭事情が理解できて保護者同士のつながりが生まれてきます。つながりは卒園後も続き、夫婦に危機が訪れた時、思春期に親子関係がこじれた時などお互いに支えあって乗り越えた事例がいくつもできています。子どもも親も、「こねてぶつけて」の人間関係の日々で成長していくのです。それを保育園や幼稚園が支えていくことが、いま求められています。 (アトム共同保育園園長・和歌山大学客員教授 市原悟子) …………………………………… 和大とニュース和歌山は、毎月原則第1土曜に和歌山市西高松の和大生涯学習教育研究センターで土曜講座を共催しています。次回は3月1日(土)午後2時、テーマは「地域住民の対話と合意が『人が育つしくみ』をつくる〜これからの学校運営・教育行政のあり方」で講師は神戸大学の山下晃一准教授です。 |
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