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見出しの言葉「ワントク社会」とは、犬が得をする社会ではありません。意味は「one-talk」、一つの言語です。パプアニューギニア(PNG)の総人口は、約550万人で面積は日本の約1・4倍でしょうか。800を超える民族、600以上の言語があり、この「ワントク」を抜きにしてこの国の社会は語れません。一応、国の共通の言葉としてピジン語がありますが、地方ごとに各部族語が存在します。 人々は、もの心つく頃になるまで部族語を中心に成長するため、結束は極めて強く、「日本には、一つしか言葉がないのか?」とよく聞かれます。PNGの社会は、この「ワントク」を特徴としており、各部族内では平等意識が強く、ワントク社会に入れば、安全は確保され、また熱帯地域のため食料も豊富にあり、自然とともに人々の心の豊かさも充分感じられます。 私が住んでいるココポ・ラバウル地区には、大きな部族としてトーライ族があり、首都のポートモレスビーほど、各部族が入り乱れていないこともあり、治安の心配などあまりありません。車で村を回ると道行く人々は声を掛けてくれますし、必ず手を振って挨拶してくれます。 また、石器時代から急に現在に移行した社会であるとも言われ、人々の部族に対する帰属意識が強く、良い意味でも悪い意味でも「ワントク社会」は、根強く残っています。私が配属されている教員大学は、教員や学生のほとんどを全国から受け入れております。その中で機会ある毎に、出身部族のシンシン(ダンス)の披露や催しがよく行われます。学生たちの世話をするのもワントク社会の特徴がよく現れていると感じます。 多くの学生が同じ出身地の先生に面倒を見てもらっており、学生たちも地方から出てくるときはワントクの縁故を頼って田舎から出てきます。ワントク社会は、各部族内でうまく機能している内は、平和で争いもなく、平等な社会ですが、この国の近代化が進まない理由も、このワントク社会にあるようです。(第2、4水曜掲載) 写真=機会ある毎に民族衣装を着る |
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