緑提灯 全国に急増中
国産食材使用店しめす目印

            
 赤提灯ならぬ“緑提灯”を店先に下げる飲食店が全国的に急増している。地場産品をはじめとする国産の食材を50%以上使っていることをしめすもので、和歌山市本町の嶋和洋傘店が製造を請け負っている。中国産冷凍ギョーザ事件以降、改めて視線が注がれる日本の低い食料自給率に、緑提灯が光を灯すことはできるか・・・。
   
◇食料自給率UPに一役
    
 緑提灯は、国産食材の需要を上げることで、40%にまで下がった食料自給率を向上させようと、中央農業総合研究センター(茨城県)の丸山清明所長が発案した。
 提灯には「地場産品応援の店」の文字と5つの「☆」が書かれており、店で使う国産食材の割合がカロリーまたは重さ計算で50%以上だと星1つを黒く塗れる。以下、10%上がるごとに星が増え、90%以上で最高の5つとなる。星の数はあくまで店主の自己申告で、専門家によるチェックや認証はない。申告違反した場合、「反省」と書いた鉢巻きをする、あるいは頭を丸めて深く反省するのがルールだ。
 2005年4月、緑提灯一号店が北海道に誕生。翌06年8月、約300年前から和傘や提灯を製造する和歌山市の嶋和洋傘店に「緑色の提灯を作ってほしい」との依頼が寄せられた。当時掲げていたのは1軒だけで、活動はまだ一般に知られておらず、「何に使うのかも聞いていなかったので、農産品の販売時に吊すのかと思ってました」。
 その後、緑提灯を掲げる店はじわじわと全国へ。輪を広げたのが「緑提灯応援隊」と呼ばれるボランティアだ。「“赤提灯の店と緑提灯の店が並んでいたら、ためらわず緑提灯の店に入ること”。これだけが隊員の義務なんです」と話すのは事務局の水島明さん。隊員の実数は分からないが、メーリングリストには約250人が登録している。
 県内の隊員は県農業大学校研修部長の佐々木茂明さん1人。昨年(2007年)末、知人の水島さんに「和歌山にまだ掲げる店が1軒もないので」と誘われ“入隊”した。「学生を指導する中で、『食料自給率を上げないといけない』と言いながら、いざ一消費者の立場になると、外国産のものを使った弁当を買うなど行動が伴わないところがあった」と佐々木さん。現在は和歌山1号店誕生に向け、知り合いの協力を得ながら飲食店に声をかけている。
 北海道で最初の緑提灯が灯ってから3年近くたった今年2月7日、ようやく100店を超えた。さらにその後も急増し、22日には234店に。マスコミに取り上げられる機会が増えたのに加え、「1月末に発覚した中国産冷凍ギョーザ問題が大きい」と水島さんは分析する。
 嶋和洋傘店はこの1年半で約200個を作ったが、このうち半分以上が今年に入ってから寄せられた注文だ。「一つひとつ手作業のため、1人で1日10個が限度なんです」とうれしい悲鳴も。「日本の食料自給率が少しでも上がるよう、和歌山でも緑提灯が広がってくれれば」と願う。
 水島さんは「店側は、食事中のお客さんに国産のものを使っていることを口頭でPRしにくかったそうです。ただ、緑提灯があると、客の方から『あれ何?』と聞いてくれるので、素材への思いを口に出せるのがうれしいとの声が聞かれます」。和歌山や滋賀など空白区もあるが、「まずは全都道府県に一軒ずつ、緑提灯を灯したい」と話している。
 詳細はホームページ(http://midori-chouchin.jp/)。

写真=和歌山市の嶋和洋傘店が一つひとつ手作り