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“あの浜”感じる松と白砂
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工場や倉庫が建ち並ぶ和歌山港。南海和歌山港駅から南に向かう道路沿いに松並木が続いている。現在はトラックや乗用車が行き交う道だが、約40年前まで美しい浜辺が広がっていた。「水軒の浜」と呼ばれた海岸線沿いにあった松並木の根元には、粒の細かい砂が今も残っており、砂浜だった当時の姿をしのばせる。水軒の浜は昭和30年代まで、海水浴場として多くの人で賑わった。全長約3キロに渡る海岸は見渡す限り天然の白砂と青い海が広がっており、遠浅の海は子どもでも安心して泳げると評判だった。シーズンになると国道42号の水軒口交差点から浜辺手前まで、臨時バスが15分ごとに出ていた。バス停から浜辺までのわずかな距離の沿道には土産物屋やかき氷屋などがズラリと並び、和歌山市内はもちろん、岩出市や海南市、遠くは京阪神から客が詰めかけ、ごったがえした。 西浜地区に住む田口右門さん(65)は、「小学生のころは水練学校でよく浜に来ました。松の影で着替えて、熱い砂の上を水セッタで泳ぎに走ったのを覚えています」と懐かしむ。1967年に砂浜が埋め立てられると、松並木もいつしか忘れ去られた。松が痩せ細っても、他の植物が生い茂る薮になっても放置されるようになった。 かつての風景を取り戻そうと今年、「水軒の浜に松を植える会」が発足。植樹や清掃を行い、歴史公園として整備を進めていく考えだ。田口さんは「砂浜は戻らないが、せめて松並木だけでも復活させて、当時の面影を感じてもらいたい」。奥津尚宏事務局長(65)は「ビーチバレーやビーチサッカーなどの大会を開き、健康づくりの拠点にしたい」と話している。 ………………………………… 地域の“懐かしの昭和スポット”を水曜号で紹介します。 |
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