わかやま昭和散歩 和歌山ブルース
 哀愁にネオンきらめく
 哀愁漂うイントロが流れると、思わず口ずさんでしまうメロディー。「ぶらくり丁」「真田堀」「和歌の浦」…、詞に歌われるのは、よく知る地名ばかり。歌手古都清乃が歌う『和歌山ブルース』は、1968年(昭和43年)の発売以来、和歌山のご当地ソングとしてすっかり定着した。発売から今年(2008年)で40周年を迎えた。
 ぶらくり丁、大門川に架かる雑賀橋の橋詰めに、『和歌山ブルース』の歌碑が建っている。レコード盤をモチーフにした御影石のベンチ、近づくとあの曲が流れる。『和歌山ブルース』でぶらくり丁の活性化を図ろうとプロジェクトチームが立ち上がり、4年前、歌碑を建てた。
 歌碑プロジェクトの川崎博史代表(65)は「昭和4、50年代、他府県から住友金属に来ていた人が、この曲を各地に持ち帰り、全国に広がった。当時のぶらくり丁は、ブルースが似合う郷愁ある街でしたよ」と話す。最初はレコードのB面だったが、全国で人気に火がつくとA面として再発売された。これまでに80万枚以上を売り上げる。
 「歌碑は昭和の掘りおこしです。昭和世代には懐かしんでもらい、次世代には引き継いでもらいたい。歌が流れるから、必ず耳にする。興味本位で見に来た小中高生にも『和歌山ブルース』を聴いてもらえる」と川崎さん。実際、歌碑を訪れる人の年齢層は幅広い。昭和世代からは思い入れや懐かしむ声が多く聞かれる。お礼の手紙をもらったこともあるそうだ。歌碑から流れたメロディーは、今年3月末で3万3000回を数える。
 曲を聴くと思い出すそれぞれの「昭和」。いいことも苦しいこともあったが、メロディーと重ね合わせると、なぜか時間がゆっくり流れる。

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地域の“懐かしの昭和スポット”を水曜号で紹介します。