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日々是訓練
事件や暴動、外国要人の発言、情勢変化など、新聞やテレビで海外に関する報道がない日はありません。外務省はそれらのことに多かれ少なかれかかわっており、情報収集や事実確認、関係者との調整などを行っています。そのためあきれるくらいに忙しく、始発電車で帰る生活をしている職員もいます。
以前、上司にこの忙しい状態についてどう考えているのか質問したところ次のような返事が返ってきました。「外務省に就職した以上、忙しいのは当然。消極的な仕事の押し付け合いをしている時間はなく、頼まれた仕事に『NO』の返事はない。各個人が苦労することで個人能力が高まり、組織としての対応力も強まっていく。いつか面する大きな問題に対応できるよう、日頃から訓練を継続しているようなものだ。そういう訓練は一担当の時代も、班長、課長、局長の時代も常に必要で、幹部だけが逃れられるものではない。必要な訓練を積んでいないと、部下や周りが大変迷惑する」と一生訓練が必要である旨を説かれました。
また、別の上司は一度会った相手の所属や名前をしっかり覚えています。当たり前のことですが、忙しい時期、同じ日に何人もと出会うと正確に記憶するのは難しいものです。その上司は名刺をもらった際に似顔絵を描いているのですが、それは後で見て思い出すために描くのではなく、その場で時間をさき、その場で覚えるために描くとのことでした。覚えることに真剣かどうか、少ない時間で覚えられるように日々訓練しているかどうかが大事だと指摘されました。言われると当たり前のことですが、自分の公務員としてのあり方についていろいろ考えさせられました。
私は海外旅行が好きで、和歌山県庁に就職する前、2年間中南米やアジアなど海外を放浪していました。治安の悪い国では尾行されていないか心配しながら旅行していました。常に周囲を配慮している状態が長期間つづくと、当たり前のように街中の状況を確認し警戒するようになりました。危険な環境が私をそう訓練してくれたのだと思います。
日頃から様々な状況等を想定し、適切に対応できるように訓練を積んでおくことは大変重要です。公務員の仕事も、目前の必要性に迫られるまで待つことなく、想像力を働かせてすべきことを考え、さまざまな技術を習得し準備を整える姿勢や向上心をもつことが求められていることを改めて強く認識しました。(土曜号掲載)
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