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和歌山県美術家協会会員でアトリエひろみち主宰の榎本敬子さん(和歌山市久右衛門丁)が洋画の全国公募展「第61回示現会展」で最高賞の1つ、大内田賞に輝いた。漁港の片隅に残された廃船や網から、潮の香りや漁港の雰囲気が感じられる作品をめざし仕上げた力作で、榎本さんは「人工的に美しいものはいくらでもあるが、そうでないものの中にも美はあるとのメッセージを込めました」と話している。1947年創立の示現会は、具象画を描く全国の作家でつくる。榎本さんは65年の示現会展で初入選し、73年、74年は佳作に選ばれ、77年に会員に推挙された。また、日展でも4回入選している。 かつては静物を中心に描いていたが、中学校の美術教師を退職し、2000年以降は主に海辺を巡りテーマを探している。目にとまるのは漁港の片隅に置かれた廃船やひび割れた堤防、古くなったテトラポットなど。「漁師さんに『そんなものを描かずに、船を描いたら』と言われたこともありますが、日常の中にある見逃されがちなものにひかれるんです」。今回の受賞作「凪の記憶」(写真下)は、約1ヵ月かけて仕上げた100号の大作で、廃船とその前に置かれた板、網を描いた。選ばれた大内田賞は、文部科学大臣賞、楢原賞など会員だけが受賞できる7つの最高賞の1つに数えられる。示現会で活躍した大内田茂士さんが亡くなった1994年から設けられた賞で、「大内田先生とは下津で一緒に写生させてもらったことがありますが、厳しい先生で、とにかく多くの作品を描かれました。私も今後、ますます良い絵をしっかりと描いていかなければ」と榎本さん。「小さな目標を立て、地道に一点一点積み重ねてゆきたい」と語っている。 写真上=「今後も1点ずつ積み重ねてゆきたい」と榎本さん |
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