紀の川流域 有機農業の拠点に
協議会がモデルタウン計画

            
 那賀地域を有機農業のモデルタウンにする取り組みが始まった。和歌山県やJA、有機農業者らで立ち上げた那賀地方有機農業推進協議会(山本博会長)が5年間で新規参入者への指導・助言、技術的実証、消費者との交流などを行い、有機農業を軸にしたまちづくりを進める。その第一弾として近く有機農業研修を実施。関係者は「農家だけでなく広く一般の人に有機を知ってもらい、紀の川流域が有機農業の拠点となれば」と望んでいる。
    
一般含む研修会近く開催
    
 化学肥料や農薬を使用せず、環境への負荷の低減を図る有機農業。県内で取り組む農家は推定で約100軒。かつては有機農業者同士の交流は進んでいなかったが、2006年の「有機農業の推進に関する法律」の成立で、有機農業に対する認知が進み、翌年、和歌山でも県組織の和歌山有機農業生産者懇話会が発足。有機農業者が集まる動きが高まった。
 今回のモデルタウン事業は、農林水産省が各都道府県に有機の拠点をつくろうと公募したもの。和歌山からは那賀地域が声をあげ、全国45地域のひとつに選ばれた。
 事業主体は、和歌山有機農業生産者懇話会、紀の川市環境保全型農業グループ、JA紀の里、紀ノ川農協、和歌山有機認証協会、県や岩出、紀の川市でつくる那賀地方有機農業推進協議会。取り組みは新規参入希望者への指導・助言、有機農業の技術実証、販売促進、消費者との交流の4事業で、5年計画で進める。
 その第1弾が「有機農業研修」。農業者だけでなく有機農業に関心のある一般の人も受け入れる研修で、実際に農家で行う。タマネギ、ナス、トマト、キウイフルーツなど作物ごとに時期に応じた作業をカレンダー化し、それに即して行うのが特徴で、和歌山有機認証協会の重栖隆事務局長は「有機農業者が苦労して育てた技術を公開するのは画期的。仲間を増やそうとの気持ちの現れ」と強調する。研修には新たに農業を志す人の参加を期待するが、重栖事務局長は「参加者の興味の持ち方によってプログラムを組むので、有機農業に関心のある一般の人にも参加して欲しい」と望んでいる。
 このほか、今年度(2008年度)は露地栽培のタマネギの有機農業に挑戦するほか、料理教室の開催や有機農業応援団の結成、学校給食への食材の供給など多彩な計画を進める。
 紀の川市環境保全型農業グループの畑敏之会長は「当面は、環境保全型の農業に取り組む人など間口を広くし土台をつくりたい。また、食育などで市民に有機を考えてもらう機会をもち、有機を進める動機づけを育てる必要がある」と話す。
 昨今の燃料費高騰を受けた見方もある。協議会の事務局を務める紀ノ川農協の宇田篤弘組合長は「最近の肥料の高騰で有機資源を使った農業に転換せざるえない状況が来ている。今回の取り組みの役割は大きくなっている」。有機認証協会の重栖事務局長も「持続性のない農業ではなく有機は水と土と空気をもとにした持続可能な農業。それを紀の川流域で育て、子孫がこの地域で食糧自給できるようになれば」と将来像を描いている。

写真=研修会では有機農業者から学ぶことができる

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 有機農業研修への参加希望者は紀ノ川農協(0736・75・2671、FAX0736・75・5410、メールa-uda@kinokawa.or.jp)。受付は月曜から金曜の午前9時から午後5時まで。参加無料。8月29日締め切り。9月3日(水)午後に那賀振興局で打ち合わせがある。