ろうそく3千本 幽玄の世界演出
日限浄土寺で万灯會

            
 海南市鳥居の日限浄土寺で7月24日、夏の会式として万灯會(まんとうえ)が開かれ、約3000本のろうそくが夕暮れの境内を幻想的に演出した(写真)。
 地域住民から“日限(ひぎり)さん”の愛称で親しまれている同寺。昨年(2007年)亡くなった前住職の木村真証さんが生前、「灯のまつりをしたい」と話していたことから、現住職の角豊光さんが企画した。
 両脇にろうそくが置かれた階段を登ると、境内にはさらに多くのろうそくが。空き瓶やペットボトルで手づくりした容器の中の炎が幽玄の世界をつくり上げた。見学に訪れた女性は「風に揺れる炎が幻想的」と笑顔を見せ、カメラ持参の男性は「絵になりますね」とシャッターを切っていた。
 祭りに向けては、地域住民が「ふるさとの魅力掘り起こし体験イベント実行委」を立ち上げ、盛り上げに一役買った。周辺を通る熊野古道や祓戸王子の環境美化ウォーキングを6月と7月の計2回実施し、7月20日には地区の歴史をテーマに講座と座談会を開いた。祭り当日も寺入り口で雑草を使っての紙すき体験を行った。
 実行委の平岡溥己さんによると、かつて同寺では盛大に夏祭りが開かれ、「子どもたちは学校を休み、嫁に行った人もこの日は戻ってくるほどで、何万人も訪れる愛着の深い祭りでした」。もちまきでけが人が出たことなどから最近30年近くは開かれていなかったが、「新しい夏の風物詩で地域のつながりを深めてゆければ」と話していた。