和歌山よみきかせの会連絡会 美しい紀州弁残したい
和歌山県内5地域で昔話語る会

            
 どんどむかしのことやいて・・・。和歌山よみきかせの会連絡会は和歌山の昔ながらの民話を語る「紀州ばなしを語る会」を始めた。連絡会は和歌山県内に22ある読み聞かせのグループが集まったもので、5地域に分かれ、エリアごとに各グループのメンバーが昔話を子どもたちに語る。連絡会の別院清代表は「借り物の言葉では借り物の人間関係しかできない。今の子どもたちにどれだけ通じるか分からないが、かつての日常語の豊かさを伝えたい」と話している。
    
※22グループ140人が個性磨く
   
 別院代表は読み聞かせ活動歴28年。現在も県内にとどまらず、全国各地で読み聞かせや本の読み方の勉強会を開いている。連絡会は、和歌山で読み聞かせの会が増えてきたことを受け、会同士の横のつながりをつくろうと20年前に発足。現在は22のグループで、会員は約140人にのぼる。
 今回の「紀州ばなしを語る会」は、別院代表が岩出市在住の作家、山本真理子さんの著書『紀州ばなし』に出合ったのがきっかけ。山本さん自身が採話した和歌山の民話50数編を昔ながらの和歌山弁でつづった作品で、母狐が病気になった子狐を助けたい一心に人に化けて医者のもとを訪れる「春の雨」など不思議な話が多数収められている。別院代表は「多くの民話の本があるが、山本さんの作品は和歌山弁が美しく、語ってみたいと思わせる。表現に情緒があり、読み手にとって練習になる」と連絡会のグループに声をかけた。
 発表は各グループのメンバーが『紀州ばなし』の中から演目を選んで練習を重ね、岩出、有田、日高、田辺、串本と5地域に設定した会場で、子どもたちに向かって成果を披露する。岩出市を拠点に活動する「そらいろのたね?」は8人の読み聞かせグループ。代表の別院丁子さんは「『紀州ばなし』には子どもの時におばあちゃんから聞いた懐かしい和歌山弁がある。語ることでこのまま忘れ去られず、次の世代につながっていって欲しい」と望む。また、和歌山市の名草地区で活動する読み聞かせグループ「トムテ」の高垣鈴子さんは「名草小学校を中心に地域の中で活動しているので、あまり他のグループと接する機会がない。こういう取り組みが技術的な刺激になれば」と期待する。
 「語る会」は地域ごとの開催で、紀北地区は岩出市備前のアラオ岩出店2階で実施する。別院代表は「今の子どもたちに昔の和歌山の姿を伝えたい。そして、連絡会のメンバー140人が140通りの個性を磨いてそれぞれの地域に戻り、学校や保育所などで昔話を伝えてもらえれば」と話す。『紀州ばなし』著者の山本さんは「『のし』や『よし』などたおやかで美しい紀州弁を残したいと思って書いた1冊。紀州人が懸命に生きた姿も描いた。こういう形で後世に語り継がれるのは本当にうれしい」と喜んでいる。

写真=発表に向け練習を重ねる「そらいろのたね2」

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 アラオ岩出店での開催は9月6日、9月20日、10月4日、10月18日、11月1日、11月15日、12月6日、12月20日の各土曜午前10時から正午まで。10話程度を披露する。各回定員30人。問い合わせは同会事務局、三浦さん(0736・77・2659)。