和歌山大学 土曜講座
「和歌山・地域再生へ」

       
◇地域活性化のために
      
 「民間にできることは民間に委ね、地方にできることは地方に委ねる」との原則に基づいた行政の構造改革が進む中、規制の特例措置(特区)と意欲のある地方公共団体に対する支援措置(地域再生)が誕生した。そして様々な地域で地域の活性化のための取り組みがなされてきたが、一方で地域格差といわれる問題が生じてきた。
 従来の地域再生は国からの全国一律の規則、画一的な開発であったのに対し、今後は地域の人々が、自分たちの手で課題や地域資源を探し、知恵を出し合い立案していく。その中で国は、地域の創意工夫された取り組みを全面的に支援することで、地域の自主的な努力によって地域経済が活性化し、雇用機会の創出や活力の再生に繋がっていくことを目指している。
 地域再生のためには、再生を担う人づくりと人材ネットワークが重要となってくる。「元気な地域には元気な人」といわれるように、地域づくりには、人材育成が必要不可欠となってくる。そのためには大学が拠点となって人材を育成することが有効な手法だと思っている。大学を「地域の知の拠点」と位置づけ、地域の課題を学生、行政、NPO、市民団体が一体となって「地域再生計画」等を策定作業する「場」とすることである。地域活性化のためには住民が「あるもの探し」の発想を持って、地域の魅力を再発見することで、地域に誇りを持ち、地域の独自性を開花させることでその地域の特色、ニーズが反映され効率的な投資が可能となっていく。
 地域づくりにおいて「よそ者」(客観的に地域の良さを指摘してくれる人)、「ばか者」(突拍子もないアイデアを出しプロジェクトをリードしていってくれる人)、「わか者」(エネルギーを持って行動してくれる人)が重要といわれる。その人材を繋げる「信頼」「ネットワーク」と言った人間関係の豊かさを社会の資本としてとらえるソーシャルキャピタルの概念の充実が今後最も重要となってくるであろう。東京だけが繁栄するのではなく、それぞれの地域が本当の意味で自らの地域の活性化策を展開することにより、日本全体の活性化に繋がっていかなければならない。
 (御園慎一郎理事・財団法人自主総合センター、文責=瀬岡美景・和大生涯学習教育研究センター研修員)

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 和歌山大学とニュース和歌山は、毎月原則第1土曜に和歌山市西高松の和大生涯学習教育研究センターで土曜講座を共催しています。次回は9月6日(土)午後2時、テーマは「観光と地域活性化」で、講師は国土交通省港湾局港湾経済課長の若林陽介さんです。