和歌山県教育委員会
子どもの読書 応援しよう
家庭に眠る本 学校に

            
 子どもの読書離れが指摘される中、家庭で読み終えた本を学校に寄付してもらう「リサイクル図書ボランティア活動〜子どもの読書応援団」を和歌山県教委が始めて約半年。昨年(2008年)12月時点で666冊が寄せられ、その後も順調に伸びている。贈られた本は学校内の図書室に並べられたり、各学級で朝の読書活動などに使われており、県教委生涯学習課は「たくさん並んでいる中から好きな本を選べる環境をつくりたい。子どもたちには本と一緒にボランティアの方の気持ちも受け取ってほしい」と願っている。
   
※図書室充実へ寄付呼びかけ
    
 文部科学省は学校に必要な蔵書数の基準となる「学校図書館図書標準」を定めている。小学校の場合、学級数が12なら7960冊、15学級ある中学校なら12160冊などとなっているが、和歌山県内にはこの基準を満たしていない学校が多い。2006年度末時点で見ると、クリアしているのは小学校で281校中127校(45%)。中学校は135校中わずか31校(23%)で、蔵書数が基準の50%に満たない学校も20校あった。
 そんな中、県教委は家庭に眠っている本のうち、子どもを対象にしたものを地域の小中学校や特別支援学校に寄付してもらうリサイクル図書ボランティア活動を昨年9月にスタートさせた。現在、74校が協力を呼びかけている。統計を取った昨年12月5日時点での寄贈数は666冊。県内20人から寄せられたもので、その後も名乗り出る人や団体は増えており、1000冊を超える勢いだ。
 和歌山キワニスクラブは2月19日、海南市日方の日方小学校に日本の歴史に関するものや伝記、シャーロックホームズシリーズなど126冊を贈った。県教委の取り組みに賛同し、会員に協力を呼びかけ、各家庭に眠っている本を集めた。同クラブ国際副委員長の田中宣人さんは「子どもの読書離れや国語力低下が言われますが、本に親しむきっかけにしてもらえれば」と話す。
 譲り受けた本は図書室に置く予定。児童を代表して受け取った図書委員の三宅将人くん(6年)は「歴史の本が少なかったので、とてもうれしい。いただいた本を学習に役立ててゆきたい」とにっこり。南條俊樹校長は「読書はたくさんの情報を得られるのはもちろん、文字の情報だけでイメージするため創造力がつく。たくさんの本にふれることで相手の心の動きが分かるようになり、思いやりの心がはぐくまれ、相手にかける言葉にやさしさが宿る。図書室の蔵書が足りていない面もあり、寄贈は非常にありがたい」と歓迎する。
 寄付する本は小中学生が読める内容のもので、雑誌やコミック漫画は不可。希望者はホームページ(「リサイクル図書ボランティア活動」で検索)で募集している学校を確認し、直接連絡する。県教委生涯学習課は「これまでも地域ごとにPTAなどが呼びかけて学校に寄付したりすることはありましたが、県教委が音頭を取って呼びかけるのは今回が初めて。この取り組みで学校と地域の連携が深まれば」と期待している。
 問い合わせは同課(073・441・3722)。

写真=和歌山キワニスクラブから本の寄贈を受ける日方小学校図書委員の皆さん