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| 絶滅のおそれがある生物をまとめた環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種に分類されているツメレンゲ。日本では関東より西の本州、四国、九州に分布し、岩場や崖など周りにライバルとなる植物が少ないところに多いが、同市では黒江や日方地区の屋根に本瓦が使われているような古い家屋で多く見られる。 「瓦の下にしかれた赤土や、雨どいにたまったわずかな土に根を下ろしているんです」と県立自然博物館の内藤麻子学芸員。この地域はかつて海に近かったため、家屋に移動したと考えられるほか、内藤学芸員は「あくまで私の予想ですが、江戸時代の園芸ブームで庭先に植えられ、屋根の上に移ったのでは」と見る。 このツメレンゲを食べるのがクロツバメシジミ。羽を開いてセンチほどと小さく、地域によって羽の紋がわずかに異なることから、チョウの愛好家に人気がある。しかし、ツメレンゲがすみ家とする古い町屋が近年、取り壊しや建て替えで減少。ツメレンゲやクロツバメシジミも減っている。 町並みの変化とともに減少する生物があることを知った海南青年会議所は9月19日、地域のツメレンゲとクロツバメシジミを探す催しを企画。日方小学校の児童と保護者約20人と散策した。さらに建物所有者の了承を得られたツメレンゲ約40株はわんぱく公園の石垣に移植。同会議所メンバーは「私たちもそうですが、地元の小学生も建物の所有者も、希少種のツメレンゲが身近にあることを知りませんでした。何とか地元で保護し、将来は海南市の花にしてもらえるよう働きかけてゆければ」と描く。 移したツメレンゲは順調に成長。10月末からは花を咲かせている。11月14日(土)には「海南ツメレンゲ物語」と題した講座が同公園で開かれる。講師を務める内藤学芸員は「黒江や日方の人々の生活、そして歴史の中に野生植物が溶け込んで、何気に息づいているのがおもしろいと思う。“生態系”や“環境”は言葉にすると難しく感じるかもしれませんが、実は身近にあるということをツメレンゲやクロツバメシジミを通して知ってもらいたい」と話している。 講座は同公園と和歌山植物の会の共催。午後1時からで無料。問い合わせは同公園(073・484・5810)。 ※ニュース和歌山2009年11月11日号記事 |
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