和歌浦の風景 〜カラーでよむ『紀伊国名所図会』〜
      
画=西村中和、彩色=わかやま絵本の会・芝田浩子
    
入江を横切る海の中道 (8)東照宮

 上の絵は、和歌浦の東照宮付近の約200年前の風景です。東照宮は、元和7年(1621)に徳川頼宣が父家康を祀るため権現山(標高60メートル)中腹に建立したもので、そこには壮麗・豪華な社殿七棟(重文)が建っています。石段下には別当寺(附属寺院)として創立された雲蓋院(うんがいいん)をはじめ、内六ヶ坊のうち和合院・宝蔵院・玉仙(泉)院・正法院がみえます。
 和歌道(明光通)から市町前に出たところには、東照宮の境内を通らず対岸の出嶋に行けるように、入江を斜めに横切る新道(中道)が造られました。新道はまっすぐで、途中2か所に橋が架けられ、小舟が行き来できるようになっています。また、東照宮の神域性を高めるため、和歌道と平行に堀川が掘削され、明暦3年(1657)には下馬橋が架けられました。橋の手前には松屋・竹屋の二軒の茶店がみえます。橋を渡った所には木戸が設置され、通行が制限されていたようです。
 入江の対岸の片男男波砂州には、東照宮の例祭、和歌祭の御旅所(現=八の字公園付近)があり、松林に囲まれています。  
                     和歌山市教育委員会 額田雅裕

※ニュース和歌山2009年11月28日号記事