迎春 2010
 新年あけましておめでとうございます。
 昨年は選挙による政権交代があり、歴史は動きました。新政権は国民には分からなかった予算編成の過程を明らかにし、投入の仕方も従来と違う形を模索しています。不安定な面がみられ、評価は分かれますが、新しいキーワードが出てきています。「地域主権」です。
 地域のことは地域で決める。そこからの国づくりを新政府はうたいはじめました。しかし、地域経済は苦しくなる一方で展望が見えません。その中で私たちにできることは何でしょう? 地域で暮らす恵みを見い出し、造り、発信することではないでしょうか。新時代の軸を身近な場所でつくり出していけるかが、街と日本の未来を占うと思えます。
 昨年、弊社から発行しました『城下町の風景〜カラーでよむ「紀伊国名所図会」』は多くの方々にご好評頂いています。高い評価を頂いたのは江戸時代のモノクロの絵図がカラーでよみがえったからだけではなく、歴史を通じ和歌山の新しい手触りを生み出せたからだと感じています。和歌山には歴史、自然、物語、そして人という資産が眠っているのです。
 今年もニュース和歌山は新時代の扉を開くべく、故郷の力を見い出してゆきたいと志を新たにしています。
 本年も変わらずのご愛読を頂けるようよろしくお願いいたします。

2010年元旦 ニュース和歌山株式会社

◆絵画につきまして
 「朝靄」 四季の郷

 海、山、河に恵まれた美しい空気の通う郷土和歌山は、古き良き文化も栄え、数多く残されています。近代的な新しい文化の導入も決して悪いとは申しません。ただ反対にあまりにも危険と背中合わせになってしまいます。後世の人々のために考える時期ではないでしょうか。

        日本芸術院会員 清水達三

※ニュース和歌山2010年1月1日号掲載