2度目の大舞台へ
 6月、7月に南アフリカで開かれるサッカーワールドカップ。4年に一度の大舞台、2006年のドイツ大会に続いて出場を期待されているのが、海南市出身の駒野友一選手(28)だ。05年に日本代表デビューして以来、ジーコ、オシム、岡田武史と3人の監督から信頼を得、今では代表の常連となった。そんな駒野選手に、ワールドカップイヤーを迎えた意気込みを聞いた。
サッカーW杯イヤーインタビュー
海南出身 駒野友一選手 
駒野友一 1981年7月25日生まれ。海南市の大野小学校2年の時に大野JFCに入り、サッカーを始める。海南第三中学校卒業後にサンフレッチェ広島ユースへ。2000年にサンフレッチェトップチームに昇格した。04年のアテネ五輪に出場し、05年8月の東アジア選手権で日本代表デビュー。06年のドイツワールドカップメンバーにも名を連ね、1次リーグ初戦のオーストラリア戦に先発した。08年にジュビロ磐田へ移籍。左右両足から繰り出す正確なクロスが武器で、左右両方のサイドバックをこなす。172センチ、76キロ。
──まず、ワールドカップという舞台に初めて立った4年前のドイツ大会のことを聞かせて下さい
駒野 初戦のオーストラリア戦に先発しましたが、前半は緊張しました。Jリーグでも少しは緊張するんですが、違う緊張感でした。あの場に自分がいたのか、いなかったのか分からないくらい最初の方は頭が真っ白でした。
──残念ながら終盤に逆転を許し、1対3で敗れましたが、駒野選手自身は同点にされた後、右サイドをドリブルで仕掛けてゴールエリア内で倒され、PKとの判定でもおかしくないシーンがありました。
駒野 自分も失点に絡んでいたし、負けてしまったのは本当に悔しい。あのドリブルの場面もそうだし、別の場面でもサイドを突破してからのセンタリングが味方に合っていれば得点が取れていたかもしれない。最後の部分での精度の大切さをあの試合で改めて感じました。
──続くクロアチアに引き分け、ブラジルに敗れて決勝トーナメントに進めませんでした。
駒野 特にブラジルはベンチからでしたが、一人ひとりの個人技を見て、「これが世界なんだな」と感じました。日本が先制しましたが、その一点でブラジルはプレーが変わったように感じました。
──日本代表に初めて選ばれたのは、ドイツ大会の出場権を得た直後。今回の南アフリカ大会はアジア予選を戦う苦しさを経験しました
駒野 予選はどのチームも日本を倒すために挑んでくるので、その難しさはありました。そんな難しい試合を一つずつ勝っていくことでチームの底上げができてきていると思います。
──オシムさん、そして今の岡田武史さんと監督が代わる中で、日本代表にはコンスタントに名を連ねています。
駒野 ドイツ大会後、代表のサッカーはしっかりとボールをつなぐスタイルに変わってきました。そんな中で、僕が務めるサイドバックというポジションは運動量が求められる。あとディフェンスですので、一対一で負けない強さも必要です。この4年間はその2つを意識しながらやってきました。
──前監督のオシムさんから学んだことは。
駒野 サッカーに対して先の先を読んで考えている人。そういうところは勉強になるし、取り入れなければいけないなと思いました。
──岡田監督はベスト4以上を目標に掲げています。
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めざすはスタメン出場
──岡田監督はベスト4以上を目標に掲げています。
駒野 02年の日韓大会で韓国がベスト4に入ってるので、「日本も行けるんだ」との話が監督からありました。ベスト4に入れば決勝に、そして優勝に近づく。めざすところは優勝です。
──高い目標ですが、手応えは。
駒野 09年も多くの練習試合をこなしましたが、強豪国と対戦してもボール支配率では日本が上回ることが多い。ですが、相手陣内に入ったときの崩しのところで差が出ている。そこをいい形で崩せれば、自分たちも上まで行けると
思います。
──昨年9月にアウェイで行われたオランダ戦(0対3で敗戦)も前半は日本ペースでした。
駒野 ボールは回せたし、前からプレッシャーもかけられていたし、相手も難しそうにやっていた。一方で、いい形でシュートを打たせてもらっていない。やはり最後の崩しが課題だし、強引にシュートする場面が出てこないといけないと思います。
──今年もJリーグ、そして代表と忙しくなりそうです。
駒野 Jリーグでは優勝争いに絡むこと。ナビスコカップ、天皇杯を含め、タイトルを一つでも取りたい。あとはやはりワールドカップの年なので、ぜひスターティングメンバーで試合に出たいという気持ちは強いですね。
──毎年、正月には帰省し、地元の子どもたちとボールを蹴る機会を持っています。最後に和歌山のファンへメッセージをお願いします。
駒野 ドイツ大会の時は海南でパブリックビューイング(大画面での観戦イベント)が開かれ、多くの人が来てくれたと聞いています。今年も和歌山のみなさんに自分が出ている試合を見ていただくためにもしっかり頑張りますので、応援お願いします。
「本気になれ」同郷の森下仁志ジュビロ磐田コーチ

 駒野選手と同じ海南市出身で、ジュビロ磐田コーチの森下仁志さん…ジュビロでの2年間を見ましたが、09年の夏以降、意識が変わってきたように感じます。特に攻撃から守備への切り替えが早くなりました。日本代表で岡田監督から強く求められているのでしょう。彼に贈りたい言葉は「本気になれ」ということ。28歳の今もまだまだ伸びしろはある。気持ちの部分が変わってくれば、技術面にも生きてくる。サイドバックとしての能力は高く、日本人では一番。代表ではまだレギュラーではありませんが、本気を出せばポジションを取ってしまうはずです。全ては本人の“本気”にかかってくると思います。

※ニュース和歌山2010年1月1日号掲載