檜皮葺の屋根 和にして洋風
-----たま新駅建設の経緯を教えて下さい。
小嶋 お蔭様で利用者が増え、駅舎の利便を図るために建て直しの話が出ました。正直迷いました。戦前からの地域の思い出を残すか、新コンセプトで駅を造るか。思案した結論はスーパー駅長たま(勲功爵)に相応しい駅舎であり、木の国和歌山県紀の川市の表玄関に相応しい駅舎を造ることでした。
-----春に完成ですか?
小嶋 詳細は決まっておりませんが、春の行楽客が増えるころを目指し鋭意努力中です。
-----概要、特徴は?
小嶋 究極の「エコ・ネコロジカル」駅舎です。ネコの顔をした「たま」の棲む家です。貴志川線のシンボル、たま駅長をデザインのモチーフにした。擬人化ならぬ「擬猫化」(ぎびょうか)された駅舎で、遠くまで見通す光る「目」と、どんな音も聞き漏らさない「耳」をつけた屋根は、地元の檜の皮を張り重ねた伝統の工法、檜皮葺(ひわだぶき)とし、洋でありながら和の郷愁を感じさせるたたずまいとなります。現在は檜の樹齢70年以上の物を使うことと檜皮をふく職人さんが希少であることから、一般の建物では造られていないため世界に誇れる唯一の駅舎になります。
新駅長室、カフェ地域の交流拠点
-----水戸岡鋭治さんのデザインが個性的ですね。
小嶋 水戸岡さんは、JR九州のハウステンボス号、リレーつばめや岡山電気軌道の21世紀型LRT「MOMO」のデザインで、日本鉄道賞はじ め多くの賞を得ている世界に誇れる鉄道のデザイナーです。MOMOを水戸岡さんのご厚意でボランティアでデザインして頂いたことがきっかけで、両備グループのデザイン顧問に就任して頂きました。個性的であり天才です。このたまステーションは、彼のデザインの歴史での大きな一ページを残してくれるだろうと思っています。
-----たま駅長とはどんな形で会えますか?
小嶋 駅舎内に駅長室を設けます。少しメタボが加速した駅長のために運動が出来るように3階建ての駅長室になります。
-----カフェ、ギャラリー、お社もあるのですね。
小嶋 駅舎としてだけでなく、たまカフェ、たまギャラリーや、トイレもたまトイレで、まさに「たま(玉)手箱」です。建物のことはハコモノと言いますが、この箱はたまをモデルにした地域の誇りとなります。和歌山電鐵の50年、100年の存続のモニュメントになれば幸いです。
-----これまでの歩みを振り返りどうですか?
小嶋 貴志川線の未来を“つくる”会のみなさんや行政、議会のご支援、サービスの指令塔である運営委員会と行う年間50に及ぶイベント、たま駅長の活躍が相乗効果になり奇跡を起こしていると思っています。この奇跡はみなさんの善意、厚意、努力の結晶です。これらが拡大し、西日本三社参りの復活と共に沿線開発が膨らみ、地域活性化の切り札としての鉄道の効果を発揮し始めたと思っています。
公共交通支える全国モデルに
-----今後の展開は?
小嶋 和歌山電鐵は公設民営で運営は責任の所在が明確で迅速な経営が出来る100%民間出資で再生しています。この効果が実証でき、公有民営という地域鉄道を救う法律が出来ました。これで地方鉄道90のうち70くらいが助かる可能性が出てきました。今後は、これらの鉄道を地方で恒久的に残せる財源の確保が大事です。地域は三位一体改革で疲弊しましたが、高齢化の中で環境を守るべき時代に入りました。地域再生の切り札に公共交通が位置づけられるように和歌山電鐵をモデルにし頑張ります。これを支えてくださるのがみなさんの応援で、和歌山電鐵の快進撃という実績が推進剤なのです。
写真上=たま駅長を抱く小嶋和歌山電鐵社長
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和歌山電鐵は駅舎リニューアルのサポートを一口1000円から募っている。詳細は同電鐵(073・478・0110)。
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