| 和歌山城で伏せる虎 |
虎伏像 
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まずは虎伏城の虎伏像前へ。和歌山城は江戸時代、虎が伏せた姿にみえることからその名のついた虎伏山に建つため、「虎伏山竹垣城」と呼ばれたのは有名。築城時、お虎という女性を人柱にしたから虎伏城と呼ばれるようになったとの説もあるそうだ。郷土史家の田中敬忠氏が南方熊楠から聞いた話として文章に残しているが、根拠は分からない。
虎伏像はこの城の名にちなみ、1922年に市内の金物商が寄贈したのが最初。しかし、初代は前足と後足が左右同時に前進していたため、完成時に騒ぎになり、43年の戦時供出時もあまり惜しまれなかったようだ。現在の虎伏像は59年、城再建後に建てられた。
虎伏像は、行き交う人の目にあまりとまっていないようだが、ふと見ると、雨でもないのに虎の顔の前が水で濡れている。和歌山城管理事務所に聞くと、「実は一年中濡れています。中からしみ出ているようですが…。原因は分からないのです」。人知れぬ悲しみに泣き濡れているのだろうか。せめて今年ぐらいは虎伏像の声を聞いてやって欲しい。

| 今シーズンにかける虎 |
タイガースショップ 
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次に向かったのはお城北のダイワロイネットホテル「モンティグレ」。「モンティグレ」はフランス語で、「虎の山」だそう。宮脇書店ロイネット和歌山店には虎のロゴが目を引く阪神タイガースショップ和歌山モンティグレ店がある。
タイガースグッズがずらりと並ぶ同店は2005年にオープン。阪神タイガース公認の店だ。シーズン中は、レプリカのユニフォームやジェット風船、プラスチックバットなど甲子園球場へ出向くファン御用達。
ブレスレット、ストラップ、ステッカー、文房具と品物は様々。村田弘至店長は「甲子園名物のカレーのレトルトなどが人気。もうすぐデジタルフォトフレームも発売されます。虎ファンの家族のためのプレゼントを買う人も多いですよ」。毎年、元旦には選手のサイン入り福袋を売り出すが、即日売り切れの人気ぶり。
タイガースが勝てばお店にも活気が出る。「昨年は若手が成長し、城島選手も加入した。寅年だし、タイガースは経済効果もあると言われる。ぜひ優勝して欲しい」と村田店長。まったく元気のない日本経済のためにもこの虎には頑張って欲しい。同店は午前11時〜午後7時。073・432・2005。

| 店の名に刻まれた虎 |
タイガー薬局 
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道を見つめる巨大な虎の顔。和歌山市東長町の「タイガー薬局」の看板は必ず目に入る。
阪神タイガースのファンが自ら開く店に「とら」を名に付けることはままある。ここも熱狂的な虎ファンなのだろうと思い店内に入った。
社長の上西廣信さんは開口一番「タイガースとはまったく関係ありませんよ」。タイガー薬局の創業者である上西さんの父の名は虎信さん。戦後、現在地に開業する時、虎信さんは上西さんにたずねた。「どんな店の名前がいいかな?」。「一回聞いたら忘れられない名前がいいと思う」と上西さんは提案した。
時代は折しも敗戦直後。虎信さんは言った。「これからは英語の時代や。自分の名前の虎があるから、タイガーで行こう」。創業当初から漢方も扱う同店は地域から親しまれ、平成に入り設けた虎の顔の看板、置物もトレードマークだ。「野球は好きですが、どこのファンでもありません」と上西さん。「でも一度聞いたら忘れられない名前になっていますね」と笑う。タイガーの名に刻まれたのは戦後だった。

| 人生語る家康公の虎たち |
東照宮本殿欄間 
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最後は初詣もかねて、紀州東照宮(同市和歌浦西)へ。東照宮は紀州藩初代藩主の徳川頼宣が1621年に造営し、父の徳川家康を祀る。歴代藩主が奉納した刀剣や甲冑など文化財が豊富で、社殿は国の重要文化財に指定されている。
東照宮本殿の欄間は一部は左甚五郎作と言われ、鷹や兎、鯉など動物から鳳凰や獏と言った架空の動物の彫刻が施されている。
虎と会えるのは本殿の真正面。中央には龍、その左右に虎が一体ずつ配置されている。実は、中央の龍は「南龍公」と呼ばれた頼宣、虎は徳川家康を表している。
西川秀紀宮司は「家康公は1542年の寅年の寅の月の寅の日の寅の刻に生まれたと言われています。この欄間は頼宣が家康公に守られているのを表します」
よく見ると、右の虎は前を向き、左は振り返っている。「この虎は人のあるべき生き方を物語っています。目的をしっかりもち前進する。だが、前に進むだけではなく時に振り返り自らを省みる。そういう意味です」
しかも右の虎の裏には竹の間で遊ぶ雀、左の虎の裏には梅の木の鶯と平和と平穏を願う彫刻も隠されている。家康公の分身の虎は何百年も人のあるべき姿を語りかける。同じ虎の先輩として畏敬の念を覚える。
写真下=「目的を追う」姿の虎の欄間
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頑張る仲間に出会えた。実感は「虎、人とともにあり」だ。私、和歌山寅さんも今年、吹上公園で子どもたちと楽しく遊び続けるぞ。
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