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「年寄りだから・・・」とあきらめがちな歩行障害や尿失禁、認知症。これらを引き起こす「正常圧水頭症」専門外来が日赤和歌山医療センター(和歌山市小松原)の脳神経外科に設けられ、2月で1年を迎える。これまで100人以上が相談に訪れ、歩行がままならなかった人が日常を取り戻すなど改善例を重ねている。担当の照井慶太医師(35)は「患者が治るだけでなく、介護に疲れた周囲の人も元気を取り戻しています。まずはこの病気について知って欲しい」と話している。正常圧水頭症は頭蓋内に脳脊髄液(せきずいえき)がたまり脳が圧迫され、歩行障害や尿失禁、意欲や自発性が低下する認知症を引き起こす。特徴的なのは、歩くのが小刻みになったり、すり足になる歩行障害で、くも膜下出血や頭部外傷、髄膜炎の後遺症で発症する「続発性」と、原因が特定できない「特発性」がある。「続発性」は医療機関にかかっているために診断されやすいが、「特発性」は原因疾患のない60歳以上の特に高齢者に多くみられるため、歩行障害や尿失禁、認知症を「高齢だから」と見過ごし、寝たきりにまで進行させる例もある。 検査は、CTとMRIで脳室の状態を調べ、拡大が認められれば、腰から髄液を抜き歩行障害の改善の有無を確認する。改善が見られた場合は、手術で腰部、腹部にシリコン管を入れ、たまった髄液を抜く。手術は1時間弱で、入院は約3〜5日で済み、歩行障害で9割、失禁、認知症で7割前後は治るという。 日赤和歌山医療センターが水頭症の専門外来を設けたのは昨年2月。この1年に相談に訪れた人は100人を超え、60代から92歳までの十数人に手術を行った。海南市の男性(79)は階段を上れず、つたい歩きの状態が続いていたが、手術後、散歩など一人での外出、車の運転まで可能に。ほぼ寝たきりで常に失禁していた女性も手術で回復し、普通に自動車を運転できるまでになった。 照井医師は「水頭症は発症率さえ分からない病気ですが、外来を1年設けた感じでは潜在的な患者は多いと思われます」と話し、「問題は一般に水頭症の知識が広がっておらず、症状を疑って病院に来てもらうまでに及ばない点。歩行障害などを単に『高齢だから』と見過ごさず、相談して欲しい」と呼びかけている。 専門外来は毎週木曜午後。予約、問い合わせは日赤和歌山医療センター(073・422・4171)脳神経外科外来へ。 写真=「高齢と見過ごさないで」と語る照井医師 ※ニュース和歌山2010年1月23日号掲載 |
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