ニギテック
冬期五輪 3度目の伴走へ
スケルトン 越選手のソリ製造

              
 2月12日(金)に始まるバンクーバー五輪。スケルトン競技に出場する越和宏選手(45、システックス所属)のソリを和歌山市和歌町の「ニギテック」(仁儀吉寿社長)がソルトレーク、トリノ五輪に続き担当し、金メダル獲得に向け3度目の伴走に挑む。同社のソリはコース条件に対応できる分解型のソリで、今回の照準は時速150キロと世界一スピードが出るバンクーバーのコース。“和歌山発”の技が世界に勝負を挑む瞬間が近づく。
 ソリに腹ばいになり氷のコースを滑るスケルトンは、2002年のソルトレーク五輪で54年ぶりに復活した競技。ニギテックが、世界有数のスケルトン選手として知られる越選手のソリの開発を担い始めたのは2000年。当時、海外メーカーが他国の選手へのソリの供給を拒み、越選手はソリを開発できる国内のパートナーを探していた。その際に和歌山市内のスケルトン仲間が使用していたニギテック製作のソリに触れ、同社にコンタクト。以来、越選手とニギテックでコミュニケーションを重ね、二人三脚でソリ製作を始めた。02年にはソルトレーク五輪で8位入賞。06年のトリノでは11位と世界で結果を残してきた。
 ニギテックのソリの最大の特徴は分解できること。海外のソリは溶接で固定されているのに対し、同社のソリはパーツごとに分解でき、天候やコンディション、選手の好みまでを反映し組み立てができる。同社の清水喜臣さんは「分解型のソリを作るのはここだけ。フレームの材質を換え、素材を独自に加工し、条件にあったソリになります。選手の成長に応じ変更が可能です」と語る。
 越選手からの注文は擬音語が飛び交う感覚的なものが大半。それを数値に置き換え、具体的に使う素材を選び加工し、ソリを提供する。4台目となる今回のソリは、150キロのスピードが出るバンクーバーのコースを意識し、硬質な素材を使い、よりスピードに乗れるよう照準を合わせた。
 ソルトレーク、トリノと戦ってきた仁儀社長は「トリノ五輪は11位だったが、攻めの姿勢を持てるソリが作れ誇りに思った」と振り返る。越選手は1月にオーストリアでのワールドカップで29選手中24位に終わり、複雑な心境を自らのホームページで明かすが、仁儀社長は「体力的に充実し、走力も上がっていると聞きます。今回も100%攻めて欲しい」と期待している。
 スケルトンは2月18日(木)、2月19日(金)に実施される予定。

写真=ソリの具合を点検する仁儀社長

ニュース和歌山2010年1月30日号掲載