和歌山市楠見中にある「災害予防研究所」。開設したのは、長年、住友金属工業の和歌山製鉄所や本社で鉄鋼製造、建設工事の安全管理を担当した中村昌弘さんで、全国の企業や団体から依頼を受け、講演や研修を行っている。実務経験から得た安全のノウハウを伝える中村さんに話を聞いた。 (文中敬称略)
住金での経験生かし
──住金で長年、安全対策を担当されました。
中村 和歌山製鉄所で安全衛生課長を務め、その後、本社に移って安全管理室長として社全体の安全管理にも携わりました。関連会社の住金マネジメント時代には韓国政府の目に留まり、韓国工業標準協会で度々指導に当たり、その後、タイでも教えました。
──災害予防研究所を開いたのは。
中村 定年退職後も世の中のお役に立ちたいと、1995年に開設しました。これまで全国の建設業、電力会社、鉄道会社をはじめ、役所も含めて様々な業種ののべ700社を回り、講演や安全診断を行いました。
エラー防止へ一工夫
──著書を見ますと、業界向けの内容ながら、家庭で簡単にできる安全対策に触れられています。
中村 薦めたいのは「指さし呼称」。工場などの現場では、例えば「スイッチよし」と言いながら、指をさして確認するよう徹底しています。こうすることによってエラーが少なくなるんです。家庭でもいざ出掛けようという時、「戸締まりはしたか」「ガスの元栓は締めたか」と心配になることがあると思いますが、玄関に指のマークを書いた紙を貼るのを薦めます。各指に「消灯」「冷暖房止め」「換気扇止め」など書いておき、一つずつ確認するんです。私も自宅の玄関に貼っているんですよ。
地元で安全対策に貢献
──確かに出掛ける前に気になることは多いですね。
中村 電車に傘を忘れるなど、人間はだれでもエラーしますが、エラーは決して悪じゃない。なくすために指をさしながら具体的に確認するよう心掛ければ、気づきに役立ちます。私自身、全国で講演などを行っていますが、地元・和歌山の災害防止、安全対策にも貢献してゆきたいと思います。
写真=「エラー防止に家庭でも指さし確認を」と中村さん
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