2010年の干支とらが主役の創作童話コンクール
藤田妙子賞 
トラ子とオウムのおべんとう
亀川小2年 西原光音さん
 ある森に、とってもなかよしのトラのトラ子とオウムがすんでいました。オウムはトラ子のせ中にのって、森の中をさん歩するのがすきでした。
 いつものように二ひきが森の中をさん歩していると、あらいぐまの子どもが大声でないていました。「うわ〜ん、うわ〜ん、おべんとうをどこかへおとしちゃったよー!」
 トラ子とオウムが、「たいへんだね。いっしょにさがそうね」と言うと、あらいぐまはなきやんでニッコリしました。「友だちといっしょに遠足へ行くためのおべんとうだから、大じなんだ」。そう言って、あらいぐまは歩きだします。
 トラ子はあらいぐまといっしょに、オウムは空をとんで、いっしょうけんめいおべんとうをさがしました。川のそばに来た時です。「あった、あれだ!」とあらいぐまがさけびました。見ると、おべんとうが、プカプカ川をながれてゆきます。トラ子は、はしっておべんとうをとろうとしました。でも、ながれが早いので、なかなかうまくとれません。
 「ああっ!」。とうとう、おべんとうはたきの中へおちていってしまいました。空からオウムがおりてきましたが、どうしようもありません。あらいぐまは、「大じなおべんとうが、たきの中へいっちゃったよ〜!」と、また大声でなきはじめました。
 トラ子とオウムは、「どうする?」「どうしよう」。そうささやいているうち、「いいこと思いついた。森の中にある木のみや食べもので、おべんとうを作ろうよ!」。トラ子が手をたたいてそう言いました。オウムも、「それがいいね。そうしよう」と、とびはねながら言いました。
 「わたしたちが森の木のみや食べものでおべんとうを作るから、すこしだけまってて」と二ひきが言うと、あらいぐまはなきやんで、「わーい。ありがとう〜」と、またニッコリしました。そして、きりかぶにすわってまっていました。
 トラ子とオウムは、家から手ぶくろとなべ、マッチとほうちょうをもってきました。あらいぐまの好きなコーンももってきてコーンピザをやきました。それを長さんかくに切った上に、くりをむいてかざりました。つぎにトラ子は、くりごはんも作りました。デザートは、みかんとりんごにしました。みんなおべんとうばこにつめおわると、トラ子とオウムは、「かんせい」と大声で言いました。
 それから、あらいぐまにおべんとうをわたしました。「これで遠足に行けるね」と、トラ子とオウムが言うと、あらいぐまが、「ありがとう。トラ子とオウムもぼくといっしょに、遠足に行かない?」と言いました。トラ子とオウムは、「わー、ありがとう。行くー!」と、うれしくてにこにこしながら言いました。
 遠足のばしょは、すずしい風のふく草原でした。そこではもう、あらいぐまの友だちがあそんでいました。トラ子とオウムもいっしょに楽しくあそびました。
 おべんとうの時間です。トラ子とオウムが作ったおべんとうを見て、みんなは、「おいしそうだなあ」「いいなあ」と、言いました。
あらいぐまは、友だちにコーンピザや、くりごはんをわけてあげました。そして、トラ子とオウムはみんなのおべんとうをすこしずつわけてもらいました。
 帰る時間になりました。あらいぐまは友だちと帰りました。トラ子とオウムも、「とっても楽しかったね」と言いながら帰りました。
 空いっぱいの夕やけが、みんなのうしろすがたを見おくってくれました。
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おはなしボランティア「きいちご」代表、藤田妙子審査員…トラ子とオウムの優しさにひかれました。最後は弁当を分け合って、ハッピーエンド。子どもらしく、素直でかわいい作品でした。

ニュース和歌山2010年2月6日号掲載