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| 街を歩けば、誰もが知っている有名な場所だけではなく、街のスキマにありながらキラキラと輝く処に出会います。そして其処には、かならず素敵な物語が存在しています。和歌山生まれの建築家(東京生活35年)の広谷純弘が、そんな東京の街のスキマを紹介します。 |
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「用と美」両立の形
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![]() さて、本日のスキマは、一橋大学がある学園都市・国立市の「こいずみ道具店」です。ここは、家具デザイナーで武蔵野美術大学教授でもある小泉誠さんのお店。小泉さんは、食器や電化製品、家具から住宅まで幅広くデザインし、海外でも評価の高いデザイナーです。大学通りに面したマンション一階のお店は、漆のコーヒーカップや磁器の器、テーブルやイス、照明器具にキーホルダーや革製のツマミまで、小泉さんのデザインのオンパレード。ところで小泉さんはいろんなデザインをしているのに職業は「家具デザイナー」ってなっているのはなぜだろう。小泉さんに聞いてみると「コップもイスも『家で使う道具』でしょ。全部、家具ってことにしちゃったんです。要は生活の道具づくりです」。確かに小泉さんのデザインは「用と美」が両立していて、どれも説得力のある形をしているんです。でも小泉さん、どうしてここにお店を作ったんですか。 「ぼくは住まいも仕事場も国立なんですが、他の場所に行ってモノを作ったり、家を作ったりしているでしょう。もう少し住んでいる所に根ざして暮らしたいと思ったんです。そうすると、お店というのが街と交流できて良いと思ったわけです」。なるほど、それで「こいずみ道具店店主」となったわけですか。「そうそう、それにね、ぼくは作りたいモノを作り、使いたいモノを作るという考えなんです。そういうことをしていると、買った人から苦情が来たり、色々意見が寄せられたりするわけです。そしてそれは売っている人の所にくるでしょう。だったら自分が作ったモノを自分で売って、直接意見を聞いた方がいいんじゃないかと」。なるほど、ここで道具店をやっていることは小泉さんのモノづくりとは切り離せないことなんですね。「こいずみ道具店」はデザイナーのモノづくりの精神そのもののようなお店です。もし、出張や旅行のときに時間があれば、ぜひ寄り道していただきたい素敵な「街のスキマ」です。(毎月第3土曜掲載。次回は3月20日) ◇ ◇ 広谷純弘(ひろたによしひろ) 建築家、1956年和歌山市生まれ。18歳まで和歌山で暮らす。建築からインテリア、アートワークまで幅広く活動し、グッドデザイン賞・公共建築賞等を受賞。 こいずみ道具店 ※ニュース和歌山2010年2月20日号掲載 |
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