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| ◇ふるさとの再生 | ||||
| 和歌山県は、農林水産物、鉱工業品及びその生産技術、観光資源など“地域資源”の宝庫である。特に農山村には、自然豊かな景観を構成する農地・水、生活慣習、歴史民俗、伝統芸能など有形無形の地域資源が存在する。一方で、過疎化・高齢化が進行し、「限界集落」と称される問題を抱える地域も少なくない。豊富な地域資源もそれを活用する人が居なければ、眠れる宝となってしまう。問題解決のために何が必要だろうか。 戦後の経済成長は、「人の空洞化(都市産業への労働力移動)」「土地の空洞化(農山村の都市域編入)」をもたらし、都市と農村は〝過密〟と〝過疎〟の関係となった。さらに、「むらの空洞化(集落活動の維持困難)」「誇りの空洞化(農山村での暮らしへの自信喪失)」も農村内部で徐々に進んでいった。 しかし、近年は、“憩い・癒し・学び”の場としての農山村の価値に、少なくない都市住民が目を向け、農産物直売所や観光農園、各種の農業体験や援農ボランティアへの参加を契機として、農家との交流・連携を深めつつある。さらに農山村でも、直売・加工、農家レストランなど農業経営の多角化が進行し、都市住民との協働によりコミュニティ再生を図ろうとする動きも見られる。「グリーン・ツーリズム」とは、双方の動きを捉えた概念である。 日本型グリーン・ツーリズムは、農山村での長期滞在を特徴とする西欧諸国のそれとは異なる。(1)農業・農山村のアンテナショップとしての役割を担う常設の農産物直売所(2)農地の有効利用と都市住民の農業理解醸成を促進する市民農園(3)農家の暮らしとこころを垣間見ることのできる各種農業体験と農家民泊(4)田舎暮らし志向の都市住民と農繁期に人手が必要な農家をマッチングさせるワーキングホリデーなどである。各々、「身の丈」に合った質の高い交流が蓄積されつつある。 ふるさと再生にはそこに住む人々が地域への〝愛着〟と〝誇り〟を取り戻すことができる地域・ヒトづくりの視点が欠かせない。農山村がグリーン・ツーリズムを利用し、主体的に〝地域力〟を向上させることが重要である。 「地域に活きる・地域を活かす『万葉』」の含意である歴史文化の継承・定着に不可欠なヒトづくりもそれによって可能となろう。 (藤田武弘・和歌山大学観光学部教授) ………………………………… ニュース和歌山は、毎月原則第一土曜に和歌山市西高松の和大生涯学習教育研究センターで土曜講座を共催。次回は3月6日(土)午後2時、テーマは「紀伊万葉文化の継承と定着のために」。 ※ニュース和歌山2010年2月27日号掲載 |
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