明治期から東ぶらくり丁に店を構え、商店街とともに歩む茶専門店、諏訪園。大正と昭和の2度の大火をくぐり抜けたが、4代目の現社長、永原敏行さんには近辺大型店の相次ぐ閉店による客足の減少という試練が待っていた。
“ほんまもん”の茶を
2001年、商品を卸売りし販売していた丸正の倒産は大きな打撃を与えた。影響を受けてシャッターを下ろす店も増え、まちを訪れる人の減少を引き起こす悪循環。「茶は“きつね草”と言われ、値段を化かすことができる。しかし先代からは『地道に商売し、信用を大切にすること』と教えられてきた。受け継いだものを生かし、新しい試みにチャレンジし、試練を乗り越えようと思いました」と敏行さんは語る。
和歌山県内では2人しかいない日本茶インストラクターの資格を04年に取得。翌年には店舗を改装し、新たに喫茶スペースを設けた。都会で流行する“和カフェ”のように若者も気軽に立ち寄れる雰囲気にし、妻の悦子さんが手作りした抹茶と新茶で作る抹茶ケーキや抹茶ソフトクリームなど、お茶屋ならではの商品を考案。ハーブティーや紅茶の取り扱いも始めた。
手軽に飲めるペットボトルの茶が普及する現代で、おいしい茶を飲んで欲しいと全国のお茶屋でつくる「給茶スポット」に県内で唯一登録し、持参した水筒にいれたての茶を注ぎ売る。インターネットでの販売にも取り組むが「店で『おいしいお茶ください』と言われることが一番多く、その人が緑茶が好きなのか、ほうじ茶が好きなのか、コミュニケーションを図ることがやはり大切。茶の愛好者は高齢者が多いが、急須で入れた〝ほんまもん〟の味を若い人へつなぎいでゆきたい。まだまだ挑戦中です」。
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創業100年以上の和歌山県内企業に“長寿の秘訣”を聞く「老舗魂」は第2、4土曜に掲載します。
※ニュース和歌山2010年2月27日号掲載
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