3月27日はさくらの日

    
あんな日 こんな日365日  開花が早い今年の桜前線。例年なら見ごろの3月27日は日本さくらの会が定めた「さくらの日」だ。「日本を代表する花の桜への関心を高めよう」と「3×9(さく)=27」の語呂合わせで1992年に制定した。和歌山には「日本一の桜」と絶賛されながら一時壊滅し、和歌山市内の女性の尽力で、その美を後世につないだ桜がある。「紀州権現平桜(ごんげんだいらざくら)」。紀北には県植物公園緑花センター(岩出市東坂本)に1本残っている。

 再び日本一に? 紀州権現平桜
   
   一市民の力で美受け継ぐ

 「紀州権現平桜」は、西富田村(現白浜町)から北米へ移住した6人が1901年、「故郷に報いたい」と同町の熊野神社に植樹した。紀南の山桜を改良した品種で、花は地元で評判を集めた。
 これを見た植物学者で、水上勉の小説『櫻守』のモデルとなった笹部新太郎氏(1887〜1978)が自著『櫻男行状』で絶賛。「この桜こそ今日以後の日本の桜の品種改良の基盤となるもの」と讃えた。しかし、戦中戦後の食料難で畑にするために神社の木は伐採。壊滅状態に陥った。
 復活のきっかけを作ったのは和歌山市の薬剤師、妙中康子さん(65)。妙中さんは94年、当時、京都大学教授だった山田康之さんの講演で、権現平桜の種がバイオで増殖され、西宮市で「西宮権現平桜」となり花を咲かせているのを知った。「和歌山のものなら和歌山へ戻してあげたい」と妙中さんは教授に直談判し、約2メートルの苗木を譲り受け、和歌山県の研究施設に育苗を依頼。接木で苗木を増やし、99年に大半を熊野神社に植樹し、毎年、花を咲かせている。
 県植物公園緑花センターには2002年に県林業試験場から一本を譲り受け移植した。現在、高さ約3メートル50センチで桜としてはまだ幼木。「紀州ふるさとの店」前で、細い枝を精一杯に伸ばしている。同センターの畑田和伸所長は「花びらは普通の山桜より大きい感じ。笹部さんは数多くの桜を見ており、目は肥えているはず。今は幼木ですが、孫子の世代にやっぱり『日本一の桜だ』となるかもしれない。大切に育てたいですね」。
 権現平桜の開花は4月の見込み。妙中さんは「和歌山まで苗木を運んでくるのは大変でしたが、一本でも紀北に来てくれうれしい。紀の川土手沿いに権現平桜が並べばいいなと時々思いますね」と話している。
 緑花センターは午前9時〜午後5時。火曜休み。大人260円、小中学生100。同センター(0736・62・4029)。

写真上=心なしか花びらが大きくみえる=2007年撮影
写真下=右は権現平桜。芽を確認する畑田所長

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 「あんな日こんな日三百六十五日」では様々な記念日にスポットを当て、和歌山での取り組みを連載します。

     
3月24日〜4月13日の記念日

ニュース和歌山2010年3月24日号掲載