8月25日は川柳発祥の日

    
あんな日 こんな日365日 8月25日は川柳の始祖といわれる柄井八右衛門が江戸時代の宝暦7年(1757)に、川柳の全国大会の前身となる前句附万句合(まえくづけまんくあわせ)を開いた川柳発祥の日と言われる。今も衰えない人気を誇る川柳だが「難しそう」「俳句とは違うの?」という人も多いのでは。そこで川柳初体験の本紙記者が、土曜号掲載中の「和歌山三幸川柳会」選者の三宅保州さんに教わり、五・七・五に挑戦した。会心の一句やいかに?  (宮端久美子)

本紙記者 五・七・五に挑戦

和歌山県川柳協会・三宅保州会長に教わる

発想とひらめき喜怒哀楽込めて

 素人の筆者を温かく指導してくれた三宅さんは和歌山県川柳協会会長や発足47年・登録人数250人を誇る和歌山三幸川柳会の4代目代表を務める重鎮だ。不安がる筆者に「スポーツとは違い、何十年とやっている人がスランプだったり、昨日今日始めた人が賞をとったりすることもあり、そこが面白い。発想とひらめきで勝負です」。

川柳の基本
(1)俳句が自然を詠むのに対し、川柳は主に人間、社会が対象
(2)季語は使わなくてもよい
(3)「〜や」「〜かな」など、切れ字をあまり 使わない
(4)口語体で現代仮名遣い

 まずは基本を教えて頂いた。五七五のリズムで区切る十七音字の短文なのは俳句と同じ。大きな違いは下表にまとめた。「川柳は人間や社会を詠むので生ぐさい。状況説明になるのでなく、喜怒哀楽を込めることが大切。皮肉もユーモアもありと、ざっくばらんなのが魅力ですね」。
 それではいよいよ作句に挑戦。川柳はあらかじめ題を出し、句会や新聞投稿などで披露する「兼題」と、当日に出題される「席題」の2種類がある。この日は席題に挑んだ。三宅さんから出された題は「朝」。オーソドックスな単語に一安心するも、朝…朝…と言葉が頭の中を転がるだけで、いっこうに筆が進まない。焦る。
 「まずは辞典を引き、具体的に膨らませて。朝食、朝礼、日の出、おはよう、モーニングコールなど多数ありますね。たくさん紙に書き出すのがポイント。そこから一つに絞り、筋書きを考えてから五七五に整えていきます」と三宅さん。そこで自分の仕事にちなみ、「朝刊」に絞ることに。朝刊が来たら…、朝刊を読んで…と普段の生活を思い出してみる。

上達のコツはとにかく作る

 半時間が経過し、何作か出来上がるも三宅さんは渋い顔。「補足が必要な句は邪道」「長くなった句を縮めるのは難しい。視点を変えて」とアドバイスされ、やっと1句だけ合格点をいただけた。「朝刊の 見出しで心 曇り出す」。昨今の新聞を飾る暗いニュースを思い出し、書いてみた。
 「曇り出すという天気に使う表現で、自分の心を現せているのがいいですね。補足がなくても分かる」の言葉に胸をなで下ろす。
 三宅さんに上達するコツを尋ねると「多読多作。何よりも好きになることが大事」とキッパリ。「川柳は世界一短い文芸で、頭の体操になり、家でもできるしお金もかからない、おすすめの趣味です。句会に足を運ぶか、まずは投句にチャレンジしてほしいですね」 なるほど、確かに「朝」の一言で色んな事が一斉に頭をめぐった。同じ言葉でも人によって全く違う句が出来上がるのが面白く、家族や職場、友人と遊ぶことで意外な感性を垣間見たり、コミュニケーションの促進にも役立ちそうだ。まずは兼題「朝」で試してみよう。(2010年8月10日、海南市の三宅さん宅にて)

 【和歌山県川柳大会】9月26日(日)午前11時、和歌山市美園町のJAビル。初心者参加可で1500円。兼題は「耳」「不思議」「マナー」「鯨」「辿る」。セレモニーは午後1時。県川柳協会事務局、古久保さん(073・423・8930)。

写真下=三宅さん(左)と筆者

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 「あんな日こんな日三百六十五日」では様々な記念日にスポットを当てた特集を掲載しています。

     
8月26日〜9月7日の記念日

ニュース和歌山2010年8月25日号掲載