ウォーキングレシピ 春の和歌山 桜フルコース
 まもなく春本番、陽気に誘われるがまま、まちへ山へと繰り出そう! 今回はウォーキングマップを作成し、地元の魅力発信を図る4グループに春おすすめのコースを教えてもらいました。桜が彩るこの季節にぴったりのウォーキングフルコースをご堪能下さい。
小梅日記を楽しむ会 辻健会長推薦
幕末明治ミックス 小梅とともに
 和歌山のシンボル、和歌山城をスタート。小梅の夫、川合豹蔵は紀州藩藩校「学習館」の校長を務め、10代藩主徳川治宝に講義をするため度々登城した。言わずとしれた桜の名所。
 城の西、追廻門
辻健さん…幕末から明治にかけて和歌山で主婦の生活を70年間綴った、川合小梅の日記に出てくるゆかりの場所をめぐるコース。小梅さんの足跡をたどりながら城下町和歌山の魅力を再発見してほしいですね。今回は5キロ以内の優しいコースですが、足腰の強い小梅さんはあちこち歩いて回った記録があります。
横には、藩政改革を推進して反感を買い、1867年にこの場所で暗殺された紀州藩士、田中善蔵をたたえる碑が。小梅は夫がお悔やみに行ったことや、「扇の芝の所の御門前にて、人切られ、首なし。田中善蔵也。」と書き記している。
 住宅街を横目に西へ歩き、七曲市場東入り口の前にある正住寺に到着。小梅が初孫の誕生を喜び描いた立雛の掛け軸が残る。日記には、藤や桜が咲く中、家族で花見を楽しんだ様子が記されている。「小梅さんはたいそうお酒が好きだったようですよ」と辻会長。
 気象台交差点を渡って和歌山市駅方面へ。水門吹上神社を過ぎてから東に折れ、突きあたりを北へ進むと、酒造会社、世界一統が建つ。ここにはかつて530坪の藩校写真左は藩校跡)があった。校長を務めていた小梅の夫は多くの藩士を指導していた。春は川沿いに並ぶ桜も見逃せないスポット。地図地図解説地図・解説(PDF=9M)

和歌の浦みちしるべの会 小林護さん推薦
歴史と海のマリアージュ
 片男波公園を出発。国名勝に指定された和歌川河口干潟を右手に、まずは妹背山に向かう。
 妹背山に到着。徳川家康の側室、養珠院が亡き夫を偲んで建立した多宝塔の右側から、さらに石段を上り頂上へ。すると干潟をはじめ、遠くの山々を見渡せるすばらしい景観が現れる(写真上)。「市街地がほとんど目に入らず、山部赤人が万葉の時代に詠んだ風景が広がります。コースの中で一番のおすすめポイントです」と小林さん。
 妹背山すぐ西の玉津島神社写真左)へ。和歌の神として祀られる衣通姫(そとおりひめ)にちなんだ衣通姫桜がもうすぐ見ごろ。ソメイヨシノより少し早く咲き、「春を呼ぶ桜」としても知られる。
小林護さん…提案したのは半日で回れるコース。小さな山々を背にした地形で、春は日なたで暖かい。聖武天皇や赤人が神秘を感じた景観、養珠院の祈りなどを肌に感じつつ、国指定の名勝、海、桜を愛でられる贅沢なウォーキング。コース内のどこからでも名勝を見渡せ、ゆったり参拝もしてもらえると思います。
 紀州東照宮、和歌浦天満宮と巡り、厳かな気持ちに。天満宮拝殿西側から続く古道を10分ほど進むと、潮騒の小径と合流する。
 日本初の空中飛行に成功した山田猪三郎碑が見えてくると、そこから100メートルほど桜並木が続く。小林さんが「よみがえった新吉野」と絶賛するこの一帯は、和歌の浦万葉薪能の会が「高津子山を桜の山に」と清掃、整備をすすめる。
 旅館萬波の脇から海沿いの観光遊歩道へ。潮風を受けながら、海と山両方の景色を満喫。万葉から紀州徳川まで、悠久の歴史に思いをはせながら、片男波公園に帰着。地図(外部リンク)=PDF

黒江・温故知新の会 池原庸夫さん推薦
漆器のまち散策 歴史仕立て
 JR黒江駅から10分あまり歩くと川端通りに到着。東の端には黒牛茶屋と温故伝承館がある。両施設とも、江戸時代から続く名手酒造店の直営。温故伝承館には酒造りや酒の商いに関する資料が展示されている。
 黒牛茶屋のある交差点を北西へ。2つ目の角を右に折れ、路地を進むと中言神社写真右)が見えてくる。夫婦神を主祭神としており、縁結びや名付けの神社として信仰を集める。境内から湧き出る「黒牛の水」は「紀の国の名水」に指定されている。
 中言神社から少し西にあるのが浄国寺。室町時代に建立され、「御坊さん」として親しまれる。境内には、県内最古の枯山水庭園や樹齢600年のクスノキがある。
池原庸夫さん…黒江と言えば、古いのこぎり形の家並みが知られていますが、歴史も含め、丸ごと黒江の魅力を伝えたいと昨年マップを作りました。春はうるわし館や元黒江公民館の前、黒牛茶屋、浄国寺、中言神社など、あちこちで桜が出迎えてくれます。少し足をのばし、温山荘の桜を楽しむのもいいでしょう。
 再び、川端通りへ。通り沿いには器楽や(きらくや)、木地屋と漆器の販売や展示を行う店が並ぶ。さらにその通りの一本南にある路地には、漆職人の家屋を利用した黒江ぬりもの館、また、国の登録有形文化財に指定されている池庄漆器店がある。
 ゴールは紀州漆器協同組合が運営するうるわし館。漆器の展示・販売のほか、蒔絵体験もできる(要予約)。
写真下=ぬりもの館前は黒江らしい雰囲気が 
地図地図(PDF=8M)

根来山げんきの森倶楽部 岡田恵美さん推薦
遠景、花、さえずりの三種盛り
 スタートは根来山げんきの森管理棟。タカのチェーンソーアート(写真右)が出迎えてくれる。建物北側のデッキからの景色はすばらしく、春の森をヤマザクラやエドヒガンが彩る。
 管理棟すぐ南の手づくりの森へ。春はヤマガラやシジュ
岡田恵美さん…西展望広場には根来寺から続く尾根道を通って行くこともできます。今回、紹介したのは森の南側で、アップダウンのある北側は山歩きする人が足慣らしのためによく歩きに来ます。げんきの森はボランティアが管理運営する公園。管理棟周辺にいるスタッフとの会話も楽しんで下さいね。
ウカラなどが子育てを始める季節。耳を澄ますと、鳥のさえずりだけでなく、キツツキ系の鳥が木をたたく音が聞こえてくるかも。南端にある東展望広場は春になると紫のタチツボスミレだけでなく、白っぽいアリアケスミレも。なお、手づくりの森の周囲をめぐる道は、車いすでも散策できるようバリアフリートレイルとして整備されている。
 手づくりの森のすぐ西に位置するふれあいの森へ。この森の北側には岡田さんが「サクラ畑」と呼ぶ一角が。3月中旬からカンヒザクラ、下旬からはソメイヨシノやヨウコウザクラ、4月上旬からはエドヒガンが花をつける。また、ふれあいの森内のプレーパークは毎月第一日曜に開園し、ターザン遊びなどを楽しめる。
 ふれあいの森の西、わんぱくの森の南西端にあるのが西展望広場。管理棟から約1・6キロ、所要時間約30分。森の中で最も眺めが良く、春は花見客でにぎわう根来寺の桜を眼下に堪能できる(写真下)。
 根来山げんきの森…岩出市根来。午前9時〜午後5時。火曜休み。管理棟(0736・61・7233)。地図地図(PDF=11M)

ニュース和歌山2011年3月16日号掲載