街中に癒しの「歌声」
第3日曜 ぶらくり丁2カ所で

 生演奏をバックに参加者がみんなで歌う「歌声喫茶」。1950年代、60年代に流行したこの「歌声」の催しが和歌山市のぶらくり丁、本町の2カ所で毎月第3日曜に開かれている。童謡唱歌や流行歌を歌い、ひとつになれる内容が人気で、街中にさわやかな歌が響く。関係者は「歌声は家族的なつながりを感じられる。癒しの時間になれば」と話している。
 歌声喫茶は戦後、シベリアから引き揚げてきた日本人の合唱団が、アコーディオン演奏でロシア民謡を歌ったのがルーツと言われる。1960年代には労働運動と重なり展開。その後、全国に歌声喫茶ができ、若者たちの憩いの場となった。
 時代とともに下火になったが、和歌山では、エイコーコジマの小島眞哉さんが和歌山市市小路の同社で、中北幸次さんのうたごえオールスターズが同市九番丁のギャラリーけまりで長年続けている。最近は昭和の歌を楽しむ催しとしてホテルが企画する例も目立つ。
 そんな中、ぶらくり丁と本町の2カ所で毎月第3日曜に「歌声」が開かれている。本町の本町ラグタイムでは、「キャンドル・フォー・シーズン」(写真右)が音楽で人の輪を広げようと一昨年12月から「うたごえ倶楽部」を続けている。毎回、歌詞を配り、童謡唱歌をはじめ、『湖畔の宿』など戦前の歌や『知床慕情』『四季の歌』など流行歌、演歌も交える。男性合唱団による演奏タイムやティータイムをはさみ、参加者同士のふれあいに気を配る。参加者は20代から80代まで約30人で、毎回参加する林久子さんは「ここへ来ると知っている顔と会え、知らない人と友達になれる。毎月楽しみ。生活のはりになります」と笑顔。
 メンバーの久保瑠璃子さんは「お誕生日コーナーや時にはマジックも交え、楽しめる時間にしています」。宮本凱夫(よしお)さんは「福祉施設などにも出向いています。街中に歌声を広げたいですね」。ラグタイムのオーナーの高塚まやさんは「歌声は年齢の垣根を超え楽しめる。中心市街地へ出てくるきっかけにして欲しい」と話している。
 もう一カ所はぶらくり丁の「みんなの学校」。昨年4月に「歌声喫茶」を始め、毎回、同校スタッフの山縣(やまがた)誠二さんがギターを握り、海野ふうさんが演奏をサポートする。童謡唱歌、歌謡曲のほか、『世界に一つだけの花』など平成世代の曲も。山縣さんは「毎回好評で、特にシニア層に受けています。みんな一緒に歌えるのが魅力ですね」。スタッフの永原彩加さんは「商店街に面しているので、道行く人が中をのぞいてくれます。ベビーカーを押し若いお母さんが入ってきてくれたこともありますよ」。
 こちらは毎回、和歌山の若手アーチストをゲストに招くのが特徴。山縣さんは「課題は若者に参加してもらうこと。継続し、いい形を見つけたい」と話す。
 次回は5月15日(日)で、本町ラグタイム「うたごえ倶楽部」は午後1時半。茶代などが必要。同店(073・431・1355)、みんなの学校「歌声喫茶」は午後2時。無料。同学校(同460・2028)。

写真下=みんなの学校の恒例に

ニュース和歌山2011年4月30日号掲載