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-------小学生を中心に、リサイクル工場の見学を積極的に受け入れています。
1954年から金属処理業者として鉄のリサイクルに携わり、和歌山市のゴミ分別回収に合わせ、83年からカンとビン、97年からペットボトルのリサイクルを始めました。見学は96年から受け入れており、今では社会科で環境について学ぶ小学4年生を中心に年間5000人が訪れています。
-------今年春には子どもたちに楽しみながらリサイクルを学んでもらおうと、工場内を“テーマパーク化"しました。
「博士の研究室」をテーマに1室をリニューアルしました。イメージキャラクターのクルリンちゃんのほか、博士、分別していないゴミから生まれる怪物マゼゴミラが登場し、わくわくドキドキしながらリサイクルの仕組みやゴミ問題について勉強できるよう工夫しています。
-------子どもの反応は。
話を聞く際の顔つきが変わりました。どんなにざわざわしていても、話が始まると集中して聞いてくれますし、積極的に質問もしてくれます。「マゼゴミラはどうしたら捕まえられるの?」と聞かれたときには「捕まえる前に出さないように気をつけようね」と教えているんです。
-------リサイクルについての絵本も制作しています。
和歌山大学システム工学部の原田利宣教授とゼミ生の協力で、クルリンちゃんが主役の絵本が2年前に完成しました。小さい子どもに読み聞かせる保護者への啓発にもなると思います。
-------今後、ますますリサイクルへの意識向上が求められます。
見学した子どもたちから、「マゼゴミラが出ないよう分別します」「リサイクルの大切さをお父さん、お母さんに教えました」など感想文が届くんです。従来の勉強の形である“大人から子どもへ教える"方法とは逆に、頭がやわらかく、何でも吸収する子どもにまず勉強してもらい、大人へと伝えていく時代だと考えています。“リサイクルの風は子どもから"。地道ではありますが、リサイクルを効果的に浸透させる最も確実な道ではないでしょうか。
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(2)ダイバーにしかできない
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紀州灘環境保全の会 中家勝之理事長(50)
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-------海の環境を守ることを目標に2004年1月、紀州灘環境保全の会を結成しました。
20年ほどダイビングをしてきて、海の中のゴミが年々多くなり、それに応じるかのように生き物が減ってきたと感じていました。以前から、潜りに行くときは、「1ダイブ1クリーン」を念頭にゴミ拾いをしていました。海の中の環境保全はダイバーにしかできない。「もっと力を入れられないか」と考えたのがきっかけです。
-------特に、サンゴ群生を守ることに力を入れています。
海は広いですが、サンゴがあるのは全体の1%。にもかかわらず、魚類の3割以上、海洋生物の2割以上がそこに集中しています。サンゴを守ることが、海の生物を守ることにつながるのです。
-------まずは、移植でした。
みなべ沖にニシザキサンゴと呼ばれるダイブポイントがあります。そこのテーブル状サンゴが素晴らしい。ただ、台風で壊れたり、巻貝に食べられたりで減っていました。貝を駆除しながら4、5回移植し様子を見たのですが、残念ながら昨年、水温が低下し全部死んでしまいました。今は別の方策を考えているところです。
-------ニシザキサンゴで、種類や分布状況を調査しました。
どんな種類が、どんな規模で、どの程度の範囲に広がっているかを明確にするのが目的。04年に分布と、巻貝による被害実態を、昨年は種類と現状を調べました。調査を通して、「和歌山のサンゴは本土海域で一番」と確信しました。
-------子どもたちが海に親しめるような取り組みをしています。
小学生から大学生までを対象に海の中や浜を清掃したり、シュノーケリング教室を開いたりしています。海の環境を守る活動に地元から賛同する人が出てくれるよう、長いスパンで動いていきたい。また、会のホームページを通して、環境保全に熱心なダイビンググループと情報交換することもあります。
-------これからの活動は。
和歌山の海は年間12万人のダイバーが訪れる立派な観光資源。まず、ニシザキサンゴをきちんと保全。また、白浜沖のサンゴ群生も調査したい。もちろん、「1ダイブ1クリーン」は永遠に続けます。
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(3)農が身近にある暮らし
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紀州大地の会 園井信雅代表(68)
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-------有機農業に取り組んで12年がすぎました。
そもそも乳酸菌、酵母菌などの混成菌群EM菌との出合いがありました。EMは、琉球大学の比嘉照夫教授が開発したもので、有機物の発酵を進める効果があります。これで作った発酵肥料は稲作では雑草を抑え除草剤がいりません。EMで自然農法に取り組むことで、より安全で健康な食を提供できると考えました。今は21軒の有機JAS認定農家を中心にした約70軒のエコ農業グループとなり、米だけでなく果物、茶、養鶏養豚に広がっています。
-------一般の関心は高まっているようですが。
最近は、特に首都圏など都会で暮らす人からの関心が強くなっています。以前は無農薬野菜を広げたいと力んでいましたが、今は食にこだわる人にむけて選択肢を提供している感じになりました。
-------生ゴミの堆肥化にも力を入れています。
畜産糞尿や生ゴミ、木のチップなど地域の有機資材を良質な堆肥にして再利用を促進しています。企業のゴミの有効活用を研究している和歌山再資源化事業協同組合にも協力しています。また、学校のリサイクル学習のサポート、婦人団体での生ゴミ活用講習会などを重ねてきました。ただ、これだけ大きなまちでの生ゴミ処理は堆肥化だけでは限界があります。段階的で多様なプランニングが必要だと思っています。
-------川の水質浄化もテーマです。
EM効果は動物園の消臭やプールの清掃でも顕著ですが、近年注目されているのは河川や海浜のヘドロ分解の力です。先進事例に学んで和歌山でもぜひ実践したい分野です。今なら、改善によって生態系復元の可能な領域も少なくないと思います。
-------今後の展望は?
その1つは「農が身近にある暮らし」をもっと味わってもらいたいことです。プランター栽培、家庭菜園、農家との協働作業など多様な提案をしてゆきたい、特に親子や仲間でやれる米作り、野菜作りです。家庭の生ゴミも活用した“元気野菜"作りを通し、子どもたちに「いのちの糧」「循環の仕組み」を新鮮に体感させてあげたいですね。
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(4)自然豊かな和歌山に可能性
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紀州えこなびと 山本将功事務局長(25)
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-------環境NPOとして昨年(2005年)4月に発足しました。
エネルギーに特化した団体が和歌山にないことから、将来のエネルギー問題について考えていこうと、2、30代の大学生や社会人を中心に立ち上げました。現在、約100人の会員がいます。
-------具体的にはどんな活動を。
まずは「市民共同発電事業」。市民から広く寄付を募り、風力と太陽光を利用した発電機を設置するもので、昨年、今年と約40万円が集まりました。その資金で昨年は和歌山市のはぐるま共同作業所、今年は県身体障害者野球連盟事務局につけました。また、自然エネルギーの基礎知識を学ぶ「自然エネルギー学校」には昨年40人、今年は30人が集まりました。学生や社会人、主婦、退職後の人と幅広い人が受講しています。
-------市中心部を流れる内川にも注目されています。
エネルギーだけでなく、“環境"をキーワードにした活動も始めています。「内川をきれいにしようキャンペーン」と題し、よさこい祭りと連携して8月19日にカヌー体験を行いました。周辺の掃除もしましたが、やはりゴミが多く臭いがすごかった。カヌーから見るとまちが川に背を向けているのがよく分かりました。後日、京橋で内川から見た写真展を開いたのですが、見に来た幼稚園ぐらいの子が「僕も掃除したい」と言ってくれ、急きょ一緒に清掃しました。
-------活動の幅が広がっています。
今年は海南市で活動するビオトープ孟子と里山保全活動に取り組みましたし、11月26日(日)にはベイサイド和歌浦が和歌浦漁港で開く朝市に参加し、地産地消をPRします。2年目に入り、他の団体と様々な形で連携が進み始めています。
-------市民の環境への関心はいかがでしょう。
環境問題が叫ばれていますが、実際にどう取り組んでいいのか分からない人が多く、それが自然エネルギー学校に来るきっかけになった人もいます。石油に依存した今の社会から次の時代を考えたとき、自然豊かな和歌山は可能性がある県だと思います。環境を良くし、和歌山を元気にするため、楽しみながら学び、そして実践していきたいですね。
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(5)「衣・食・住」自給目指す
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和歌山エコビレッジ研究会 高橋洋平理事(21)
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-------エコビレッジとは何ですか。
自然環境と共生する村を指します。研究会では、その村だけで食物連鎖が完結し、自給できる持続可能な生活について学習しています。欧米ではすでに建設されていますが、日本ではまだまだ認知されていないのが現状です。
-------具体的には。
日中、屋根の上で水を温め、夜間に床下へ流し込むことで床暖房に利用するなど、少しの工夫から環境への配慮が実現しているので、「薪を割ったりと田舎暮らしは不便」というイメージとは少し違いますね。このほかに、太陽光や水力発電など化石燃料を使わず自然エネルギーを使うことも都会的なエコビレッジと言えます。
-------今春から活動を始めました。
4月に研究会が立ち上がり、建築、医療、農業など様々な分野の人に声を掛けて結成しました。それぞれの得手を勉強会などで生かしています。建築の知識で、自給の道具として来年5月の完成を目指し石窯を作っています。間伐材など自然の素材で火をおこして料理を作り、残った灰は肥料として土に返します。また、料理学校を卒業した主婦は自然にも体にも優しい無農薬食材を使った玄米菜食の料理教室を開いています。
-------自然との共生がテーマなんですね。
私自身、玄米を食べ始めてから集中力が増して賢くなりました(笑)。やっぱり自分で作った身近な物で、体に良い物を食べると元気になり、生活に張りが出てきます。また、つるし柿を作り、「糖分は果糖で摂取する」という日本ならではの文化も実践しています。日本は外国に比べ、自然と共生する文化を培っていたので、風土に合っている。実際に自分自身の手で作ることで、環境への意識が自然と身に付くと思います。
-------これからの取り組みは。
石窯作りと無農薬農業、玄米菜食料理でまずは「食」の自給達成を目指します。来年から綿の栽培や建物の建築実習を行い、「衣」「住」についても自給を目指し実践を広げます。このような体験がエコビレッジ建設への第一歩。まずは1軒のエコハウスを造り、増やしていくことでエコビレッジを実現させたいですね。
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