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--------今年も『第九』の季節がやって来ました。
和歌山で公演が始まったのは1972年です。ちょうどそのころ、日本を代表する指揮者の外山雄三先生が「聞くだけでなく、創造活動に参加しよう」と提唱し、それが和歌山に波及してきたこと、その2年前に県民文化会館が完成し、オーケストラと合唱団が一緒に上がれる舞台を備えたホールができたことなど、条件がそろったのがきっかけです。
--------京都市交響楽団の演奏に合わせて歌声を響かせます。
私たちはアマチュアの合唱団で、プロではありませんが、プロのオーケストラと一緒に『第九』をつくりあげているのは全国でも少ない。今年(2006年)で34回目ですが、これだけ続いているのは地方都市では和歌山だけだと思います。
--------メンバーは何人ぐらい。
最も多かった25回公演が250人で、最近は150人ぐらい。これまでのべ6000人がステージに立ちました。第1回からずっと参加している方も3人います。
--------入団に合唱経験は必要ないとのことですが。
1人でも多くの人にクラシック音楽にふれてもらい、すそ野を広げようと入団テストはせず、門戸を広くしています。毎年、8月終わりか9月初めから週1回練習を重ね、12月の公演に備えます。原語のドイツ語で歌うため、初めての人は苦労しますが、練習のことを思い出しながら本番を終えた瞬間は「今年もみんなで歌えた」と感激でいっぱいです。
--------メンバーが替わると、歌声も微妙に変わるそうですね。
年輩者が多いと声が落ち着いていてやわらかい。今年は小学5年から75歳まで約150人で、世界で活躍する女性指揮者の西本智実さんが指揮を務めるためか、初参加が約40人と例年の2倍。若い新人が多く、歌声は若々しくて張りがあります。
--------今年の公演は12月17日と間近に迫っています。
シラーの詞にベートーヴェンが曲をつけた『第九』は「自由」「平等」「友愛」の願いが込められています。団員の心をひとつに、和歌山から平和の歌声を世界に発信したい。
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(2)古代墨で郷土感じて
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春日神社(海南市大野中) 三上秀信宮司(43)
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--------小中学生対象に紀州古代墨を使った書初会を開いています。古代墨とは何ですか。
古代墨とは松煙墨のことです。松煙墨は、松の木を燃やしたススを原料にした墨で、奈良時代ごろから海南や和歌山、田辺などで盛んに作られていました。このススはかつて黒江の漆器や、内海の和傘にも用いられ、海南の特産品に生かされています。
--------書初に使うきっかけは。
今の墨はナタネ油を燃やしてできるススで作る油煙墨が大半。また、子どもたちが学校で使う墨汁はカーボンブラックと言い石油製品です。松煙墨は上質の墨ですが、ながく途絶えていました。これを海南市の平岡繁一さんが復元を果たしたのがきっかけです。また、春日山にある熊野九十九王子のひとつ松代王子社のご神体は、ナギの葉の形をした墨です。こういう形で、郷土の歴史に親しんでもらいたいと考えました。
--------来年で12回。恒例になりました。
1月2日に日を設定し、当初は3回続いたらいいと思っていました。しかし、初回だけで300人。要望もあって2回目から硬筆も加え、700人が集まった年もあります。海南に限らず、県内全域から来てくれていて、書道の腕試しに来る人や、着物姿で来て昔ながらのお正月らしい雰囲気を味わう人までさまざまです。みんな書き始めると、真剣そのもの。中には、凄く上手な書を書き上げる子どもがいてびっくりします。
--------展示会も開いています。
神社に作品を並べますが、暖房で部屋を暖めると、室内が松の香りに染まります。本当はそこまで感じてもらいたいのですが。
--------今後の展望は。
最近は学級崩壊が言われますが、書初会を通じ、はっきりした目標があれば子どもは集中するのが分かりました。そういう力を育てる場にしたい。昔参加した子どもが親になり自分の子どもを連れて来てくれればうれしいですね。
--------来年の書初は。
来年から元旦、2日と日を増やします。午前9時から午後4時までで事前申し込みはいりません。無料で、毛筆は道具持参です。
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(3)和歌山を目一杯楽しんで
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マリーナシティ企画宣伝課長 堀内孝治さん(40)
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--------マリーナシティで年始を迎えるカウントダウンは大勢の人で賑わっています。
リゾート博が行われた1994年、博覧会終了後の11月3日にポルトヨーロッパがオープンしました。そのとき、アメリカ人スタントマンらスタッフから、「カウントダウンをやらないのか」と言われたのがきっかけです。当時、関西のテーマパークはどこもやってませんでしたが、急きょ企画しました。いまではすっかり定着し毎年3、4万人が来てくれます。
--------特に花火は注目で、ミレニアムの時は10万発を打ち上げるなど関西最大規模と知られています。
マリーナシティが海に突き出ているので、大きな花火を打ち上げられるんです。クラシックをバックにした荘厳なイメージで感動的。マリーナで花火を見て、「新しい一年を頑張ろう」と思ってもらい、新たな希望や夢を持ち帰ってくれればと願ってます。
--------花火以外のイベントも豊富。
花火は10分か15分ですから、それまでの時間をどう楽しんでもらうかが重要。当初はオークションで普段買えないものを提供しました。マグロ一匹や巨大雀寿司、ホテルのシェフが自宅でフランス料理サービス・・・。数年前からライブをしていましたが、今年は子どもが楽しめる大道芸やキャラクターショーをやります。イベントは「人に喜んでもらってナンボ」。自己満足なら意味がない。子どもが喜ぶ姿を見て感動できるような、お客さんの目線に立った企画をしているつもりです。
--------一連の取り組みは、和歌山を訪れるきっかけになっています。
マリーナシティに来てもらうのはもちろん大事ですが、ここだけで楽しまないで欲しい。和歌浦、番所庭園、紀三井寺、白浜、龍神温泉・・・。良いところがたくさんあります。僕自身、和歌山が大好きなんで、和歌山を見て知ってもらい、面で楽しんでくれればと考えてます。目一杯楽しんだあと、「和歌山って良かったな」と思ってもらえることが、僕の楽しみであり、喜び。この思いが働くモチベーションになっています。
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(4)活用してこそ生きる文化財
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紀州ふるさと塾 久保隆司理事(62)
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-------和歌山城近く、岡山の時鐘堂で除夜の鐘を始めて8回目になります。
紀州ふるさと塾や時は鐘鳴り会などが中心となり、様々な団体やボランティアの協力を得て運営しています。詩吟や詩舞で縁日のように盛り上がり、多い時で700人、平均だと450人が来場します。お酒を振る舞ってましたが、飲酒運転対策のため、今はおしるこにしています。
------今年は少し内容を変更するようですね。
昨年の鐘つきの後、反省会で「会場がにぎやかになりすぎた。1年をしのび、新年を祝う厳粛な鐘つきのはずではないか」との意見が出て、「イベント的な要素より、時を告げることをメーンに一度原点に戻ってみて、次年以降に活かしていこう」と決まりました。今年は舞踊のようなイベントはなく、竹燈のイルミネーションで会場の雰囲気を演出します。
------使用する時鐘堂の鐘は県指定文化財です。
江戸時代に城下町の時刻を告げる鐘であっただけでなく、火事などの緊急事態時にも使用されました。大坂夏の陣で使用された大砲を、紀州徳川家が粉河の鋳物職人に改鋳させたもの。現在は終戦記念日の「平和の鐘打鐘会」などでも使用され、戦争の象徴が今では平和の鐘として残されています。
------文化財の活用を勧めています。
丁重に扱い、守らなければならないと言う印象のため、市民から文化財は遠のいています。しかし、活用してこそ文化財です。元々長い歴史の中で庶民に使われてきた身近な存在だったはずなので、現代流に活用することで歴史や文化を感じることができる。多くの人に鐘つきをしてもらおうと、文化庁に了解を得て昇降口を2カ所に増やしました。
------今後の展望は。
続けることが大切。時を大切にし、平和の象徴として多くの市民に親しまれる、身近な文化財として活用していきたい。今年も12月31日午後11時から鐘つきを行います。新年の時を告げると共に、城下町の時を告げた歴史と文化を感じてもらいたい。
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