近年、新たな資金集めの手段として注目されるクラウドファンディング。県と和歌山市は7月、クラウドファンディングを取り入れる中小企業を対象にした支援を始める。5日(火)は同市手平のビッグ愛6階で活用セミナーを共催。県商工振興課は「費用集めだけでなく、事業を始める前からファンをつくるチャンスになる。こういった手法があることを事業者に知ってもらえれば」と話している。

 クラウドファンディングは、実現したい取り組みや新規事業のためにインターネットのサイトで目的と目標金額などを公開し、そのプロジェクトに共感した不特定多数の人が小口で出資する仕組み。支援者が特典などの返礼を受ける購入型や、プロジェクトの利益から配当を受け取る投資型、返礼のない寄付型といったタイプがある。

 県内ではこれまで海南市の協和が真田幸村にちなんだ高級スマホケースの開発資金に182人から221万6000円、湯浅町の湯浅醤油は伝統的な木樽で製品をつくる設備投資への協力を募り、110人から81万1000円の援助を受けた。

 ただ、うまく資金集めの周知ができず、未達成に終わる例も多い。県はふさわしいプロジェクトに対する認定制度を設け、県のホームページで情報発信してバックアップを行うほか、融資制度を利用する際に優遇金利を適用する。また、和歌山市は市内に本社を置く企業に、募集にかかる初期費用を80万円まで補助する。

 セミナーは午後2時から。ミュージックセキュリティーズの杉山章子さんが仕組みや活用事例の紹介後、県と市の担当課が支援内容の詳細を話す。無料。6月30日締め切り。希望者は県商工振興課(073・441・2744)。

 

(ニュース和歌山2016年6月25日号掲載)