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 神話が伝わる神社や古墳群などの史跡が残り、自然に囲まれた和歌山市の安原地区。この地の魅力を感じてもらおうと昨年末、市民でつくる安原フィールドが、コミュニティスペース「明想庵」を同市相坂にオープンした。農業体験や自然を満喫するワークショップを開く計画で、1月30日(土)正午にはカレーを囲んで語り合う初のイベント「カレー座」を行う。

 安原フィールドは同団体代表理事の都築弘治さん、安原で農業を営む山下裕邦さん、座禅やヨガを指導する森田清史さんらで設立した。都築さんが6年前に山下さんと出会い、農作業を手伝う中、安原の自然の豊かさと神秘性に魅了された。「もっと多くの人に安原の良さを知ってほしい」と同団体を発足させ、活動拠点として応神天皇と武内宿禰(たけのうちのすくね)ゆかりの安原八幡神社近くに空き家を借り、明想庵をつくった。

 敷地内には、築140年と築50年の古民家家屋があり、裏手に竹やぶが生い茂る。近くの耕作放棄地を開墾中で、100種類の果実やハーブ、野菜を育て、農業体験ができる場にする計画だ。

 このほか、古代女王、名草戸畔(なぐさとべ)にかかわる史跡を巡るツアー、ヨガ教室、料理教室なども企画する。安原小学校で地元の歴史を探る総合学習の授業に5年前からかかわる山下さんは「安原は古(いにしえ)の先人たちの息吹が感じられる里山。次世代の郷土愛精神を育む催しも開きたい」と望む。

 カレー座は毎月開催し、月ごとに違う講師の話を聞き、参加者で語り合う座談会。30日は森田さんが「幸せについて『ゆる~く』考えよう」をテーマに話す。森田さんは「市街地から少し離れただけで静かな自然を味わえる。心と身体のコンディションを整え、普段のストレスや携帯電話を忘れるぐらい心安らぐ場になれば」と笑顔を見せる。

 カレー座は500円、小学生以下200円。希望者は29日までにメール(meisou.an@gmail.com)。

写真=「先人たちの息吹伝えたい」と設立メンバー

(ニュース和歌山2016年1月23日号掲載)