14年前に和歌山市里の山口幼稚園児がつづった手紙や写真を収めたタイムカプセルが1月9日、開封された。元教頭の藤井八重子さんがカプセルを預けていたマリーナシティのポルトヨーロッパから回収し実現。藤井さんは「幼少期に抱いた大切な思い出やメッセージを力に立派な大人になってほしい」と願っている。

 当時、ポルトヨーロッパのキャラクター、ダイバーダンが各地の幼稚園を訪問する「ダンくんブロックプロジェクト」が行われた。ダイバーダンが子どもと体操や遊びをして交流し、ポルトヨーロッパ開園20周年に開封するタイムカプセルを作成。山口幼稚園にもダンくんが訪れ、園児27人が夢や希望をつづり、カプセルに詰めた。このことを覚えていた藤井さんが、20周年を迎えた昨秋、カプセルを回収。開封式を開こうと保護者に呼びかけた。

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 当日は卒園児や保護者ら41人が集まった。20歳前後に成長した元園児はカプセルを開き、当時の夢を照れくさそうに読み、家族らを描いた絵、写真などを懐かしそうに眺めていた(写真)。

 冷水大晟(たいせい)さん(20)は「今の夢は、5歳の時に抱いたレーサーと異なりますが、こんなこと考えていたんだと思い出しました」。保護者の宮本佳子さんは「地元の温かな思い出は『自分には帰る場所がある』という安心感につながります」と喜んでいた。

(ニュース和歌山2016年1月23日号掲載)