初春の朝日受けとめブロッコリーはちきれそうに蕾を纏う
                 白川  宏
初春の喜び込めて詠みし歌喜寿を迎ふる年にこそあれ
                 竹嶋  弘
新しき春のあしたにうぐひすの初音ふふめり雪の梅が枝
                 立花 佑介
赤き糸揺らぐ二十年正夢の行く末祈る初春の宮
                 田代 絢子
冬の浜そぞろ拾いし丸き石やがて誰が手に乗るや乗らずや
                 谷本 大輔
浅緑奠供山の麓初あかね奇しさ宿る尊影しのぶ
                 垂井 邦夫
帯を結ひことしの願い思いつつ和歌玉津宮清々しくて
                 田端 栄子
日の出見て玉津島社の鳥居前千木が光にかがやいて見ゆ
                 茶畑 重明
待ちわびて親籍縁者三ヶ日
                 中村  愛
まるまると太りし孫を湯に入れて触れ合う肌のこの暖かさ
                 服部  薫
長男に新年所感の座をゆだね屠蘇の効能ちらちらと読む
                 林  芳雄
丙申今年こそはと願ひつつ祈る和歌宮に娘の幸を
                 平田 美鈴
玉つしま奠供の杜に鎮まりて初日に映ゆる千木の貴し
                 遠北喜美代
(ニュース和歌山2016年1月23日号掲載)