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 すさみ町で見つかった新種のナマコ「チオーネ・スサミエンシス」(写真)が海南市船尾の県立自然博物館で展示されている。

 発見したのは同館学芸員の山名裕介さんと平嶋健太郎さん、すさみ町立エビとカニの水族館研究員の平井厚志さん。同町では浅い海岸に多数生息しているナマコで、体長も10㌢を超えるが、日中は海底の砂の中に潜んでいることから、見過ごされてきた。2013年12月に3人が見つけ、標本作りや形態観察、過去に報告されている種との照合などを経て、15年12月、日本動物分類学会の英文誌で新種として掲載された。3人で付けた名前には発見場所の〝スサミ〟を入れた。

 詳しい生態は分かっておらず、研究をかねて展示することになった。「特徴がないのが特徴のようなナマコ。こんなものでも珍しいのだなあと感じてもらえればうれしい」と山名学芸員。「自然豊かな和歌山では、身近なところにも多くの新発見があります。ぜひ、身の回りの自然に興味を持ってほしい」と話している。

 展示は1ヵ月程度の予定。470円、高校生以下と65歳以上は無料。午前9時半~午後5時。月曜休み。同館(073・483・1777)。

(ニュース和歌山2016年1月27日号掲載)