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 シンポジウム「まちなか観光拠点の創造と元気の創出を考える」が1月23日、和歌山市で開かれた。県立医科大学薬学部の誘致と和歌山市民会館の移転が検討される伏虎中学校跡地に、和歌山城前のロケーションを生かした観光拠点を求める市民グループが主催。136人が集まった。

 紀の川市の栄隆則さんが代表を務めるフェイスブックグループ「和歌山の自慢を共有しましょう」の有志が企画。和歌山市の活性化と観光をテーマに、加太観光協会の利光伸彦会長、和歌山大学経済学部長の足立基浩教授、プール学院大学国際文化学部の丸山政行教授が講演した。

 利光会長は、近年人気が高まる友ヶ島の盛り上がりや、昨年加太で立ち上げたまちづくり会社を紹介。「住民が活性化に向かっていくためには活性化の定義をきっちりしなくてはならない。加太では人、子どもを増やすことを第一目標としている」とし、住民主体で開く桜鯛祭りや竹燈夜などのイベントを例に語った。

 丸山教授は関西国際空港や大阪に近い点を強みととらえた訪日観光客について解説。足立教授はぶらくり丁の地価下落など土地問題の改革を挙げ、遊休不動産を活用したリノベーションで385人の雇用を生みだした福岡県北九州市や、商店街の活性化を請け負う人材を厚遇で公募した宮崎県日南市など地方の事例を紹介した。

 栄さんは「どうすれば和歌山が元気になるのかを皆で考えられ、多くの人に関心を持ってもらえた。今後も2ヵ月に1度、課題を考える会を開いていきたい」と話していた。

 写真=他府県にある遊休不動産の活用事例を紹介した足立教授(右)

(ニュース和歌山2016年1月30日号掲載)