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 2月22日の「忍者の日」に合わせ、日本三大忍術伝書のひとつ『正忍記』の著者、名取三十郎正澄の墓がある和歌山市吹上の恵運寺は、29日(月)まで期間限定の朱印を押している。昨年10月に設立された日本忍者協議会が定めた忍者の日にちなんだ取り組みで、2月のみ学業成就や商売繁盛を祈願する「忍活御朱印」を押印する。山本寿法住職は「紀州忍術はスパイのように情報戦を制する極意が伝承されている。忍者さながら情報戦に打ち勝って」と話している。

 紀州徳川家の軍学指南役で、伊賀、甲賀の忍術集『萬川集海(ばんせんしゅうかい)』、伊賀の『忍秘伝』と並ぶ忍術伝書を記した三十郎。その墓と位はいが2012年に同寺で発見されて以降、『正忍記』を読む会や手裏剣体験を開き、紀州忍者の発信に取り組む。

 通常、同寺の朱印は達磨(だるま)を描いた「達磨絵」と「和歌山西国観音霊場」、「南無釈迦牟尼佛(なむしゃかむにぶつ)」の3種類。限定の「忍活御朱印」は、三十郎の墓への参拝者が対象で、山本住職が六方手裏剣と忍者の手姿を模した印を押し、篆刻(てんこく)文字の「忍」を筆で書く。滋賀や愛知、九州など全国の忍者ファンや、朱印めぐり好きの女性が足を運んで来る。

 また、子安子育地蔵尊があることから、安産祈願や子育て安穏を願う「妊活」を、同時期限定で押印。現在、和歌山西国観音霊場の朱印は、今年1月に見つかった150~200年前の『弘法大師御作』の文字が入った印を押しており、山本住職は「木印で既に印面が薄れてきているので、『西国~』も値打ちがあります。『妊活』は忍の『にん』にちなんでいます」と笑顔を見せている。

 恵運寺(073・424・7633)。

写真=期間限定の御朱印を手にする山本住職

(ニュース和歌山2016年2月20日号掲載)