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 様々な生物がすむ環境を未来へ残そうと、自然回復を試みる会ビオトープ孟子は2月28日、「プロジェクト未来遺産 生物多様性フォーラム」を紀の川市の貴志川生涯学習センターで開いた。

 海南市孟子の孟子不動谷で、里山の自然環境を守る活動を1998年から続けている同会。フォーラムでは、わんぱく公園わんぱくクラブの小学生たちと和歌山大学システム工学部の学生がそれぞれトンボ、向陽中学理科部が両生類とは虫類と、孟子で1年間調査した結果を発表した。

 また、東海南中学校1年の宗尚輝さんは同市にある蔵の屋根裏で子育てをするフクロウの仲間、アオバズクについて、虫や鳥を食べた跡を3ヵ月間調べ、その結果から多くの生物がくらす自然がまだ残っていると報告。「今後も調査を続け、この環境を守るため、自分に何ができるのか考えて実行していきたい」と結んだ。

 この後のパネルディスカッションでは、大学教授らが生物多様性を守るための課題について意見交換した(写真)。県自然環境室の岡田和久副室長が「生物多様性和歌山戦略」策定に向けての取り組みを紹介。中央大学の鷲谷いづみ教授は「幼稚園児から大学生までが生物にかかわる調べ学習をいきいきとしている。孟子についてはそれが一番大きな財産」と将来を担う人材が育っていることを評価した。

(ニュース和歌山2016年3月9日号掲載)