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 わずか33席ながら本格的なコンサートホールの機能を備えたライブスペース「LURUホール」が3月1日、和歌山市狐島のFOXYテラス1階にオープンした。立ち上げたLURUミュージックの岩橋和廣さんは「和歌山で活躍するアーチストがいい環境で演奏できる場所。大人が満足できる上質な空間でゆったり過ごして」と話している。

 ホールは約100平方㍍で、グランドピアノを常設したステージの目前に客席があり、演奏を間近で楽しめる。音の良さを追求しようと、全国の公共施設や劇場で音響設計に携わる内田匡哉(まさや)さんが手がけた。

 大阪のフェスティバルホールで使われるドイツ製スピーカーを採用。壁面の反響板に紀州杉を使い、音を柔らかく響かせる。内田さんは「息づかいや弦がこすれる音までも伝わる距離感で、アーチストが生み出した音を気持ちよく届けたい」と語る。

 クラシックのみならず、ジャズやポップス、演歌などあらゆるジャンルに対応し、アーチストと共同でライブを企画するほか、日中やライブのない時間はカフェを開き、音楽を通じた交流の場とする。

 2日のお披露目会で演奏したピアニストの宮下直子さん(写真左端)は「演奏者の緊張した心が杉の香りでほっとやすらぐ。コンパクトな空間で音の広がりはないが、その分、その人そのものの音がリアルに伝わる良さがある」と喜んでいた。

 月曜休み。同ホール(073・457・1022)。

(ニュース和歌山2016年3月12日号掲載)