全国32校が出場する春の選抜高校野球大会があす20日 (日)、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。和歌山からは市立和歌山(和歌山市六十谷)が11年ぶり5度目の出場。大会4日目に昨秋の中国大会準優 勝校、南陽工業(山口)と対戦する。半田真一監督と河﨑真主将、投手の2枚看板、赤羽陸選手と栗栖拓巳選手に大会への意気込みを聞いた。(文中敬称略)

粘りのチーム

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──チームの特徴を。

半田  試合の前半を少ない失点で抑え、後半で勝負する、そういった勝ち方をしていくチームです。そう確信が持てたのは、昨年の県新人戦、ベスト4を決める箕島戦 でした。強豪相手に、試合の流れは劣勢ながらなんとかしのぎ、1─0で勝つことができた。次の準決勝でも和歌山商業に5点リードを許しましたが、8回に集 中打で逆転し、勢いに乗れました。

──カギとなる選手は。

半田 ピッチャーの赤羽と栗栖ですね。無駄な点を与えないことがチームの戦い方にとって重要です。赤羽は右のオーバースローでストレート中心。球を散らして的を絞らせません。サウスポーの栗栖は制球力が抜群で、打たせてとるタイプ。相手打線によって左右両投手を使い分けたい。

──開幕までに力を入れて取り組んだのは。

半田  低めの変化球を見極め、2ストライクから四球を選べるように打撃練習をしてきました。2ストライクに追い込まれてでも変化球に対処してファウルで粘れば、 最終的に四球に持っていける。こうしたプレーの積み重ねが試合の流れを変えます。また、相手の球を何度も見れば選手の目が慣れてくる。大きく打つというよ り、細かな部分を磨いて勝ちを目指すチームづくりをしてきました。

 写真=打撃コーチから細かな指導を受ける

 

投手は2枚看板

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──選手に質問です。出場が決まった時の喜びを。

河﨑  夢の舞台に立てると知った時は実感がなかったのですが、皆で喜びあっているうちに気持ちが高まりました。昨秋の近畿大会は準々決勝で明石商業にコールド負 けし、同じく最終選考に残った報徳学園(兵庫)が有利だと思っていました。けれど、自分たちが選ばれると信じ、冬の練習を乗り越えてきました。

──チームの雰囲気は。

河﨑 甲子園を強く意識するようになり、キャッチボールの球にも勢いがつき、声が大きくなりました。

──投手の2人は監督からの期待が大きいです。

赤羽 武器はキレのあるストレートです。バックを信じて、打たせてとるピッチングを心掛けたい。今は、捕手が構えたところに落ち着いて投げられるよう、制球力を強化しています。(写真右

栗栖 得意な球種はチェンジアップ。バッターに考える時間を与えずテンポ良く投げ、試合の流れをつくります。変化球が抜けてしまわないよう投げ込みをして、しっかりとした感覚をつかんでおきたい。リリーフでの登板が多く、後半をきちんと抑える市高らしい野球を目指します。(写真左

──初戦の相手が山口の南陽工業に決まりました。

河﨑 南陽工業は投手が良く、簡単に点が取れないと思うので先制点が重要です。打撃も気を抜くと勢いづくため守備を固めます。接戦が予想され、1点ずつ着実に取る粘りの野球をしたい。皆初めての経験で緊張すると思いますが、11年ぶりの勝利を絶対に成し遂げたいですね。

──最後に目標を。

赤羽 まずはベスト8以上が目標。強豪と対戦し、勝ち進んでいきたい。

栗栖 一戦一戦を大切にして勝利を重ね、目指すは全国制覇です。

河﨑 1つでも多く勝って、市高の野球を見せたいですね。

 

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(ニュース和歌山2016年3月19日号掲載)