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 スマートフォンやデジタルカメラなど電子機器に使われるプリント配線板の製造を手掛ける太洋工業(和歌山市有本)は2月、布に金属回路を密着させる技術を開発した。

 電子機器に欠かせない配線板の小型軽量化、薄型化に取り組む同社の技術を約1年かけて改良。電気を通すペーストを布に印刷したり、金属をコーティングした糸を編んだりしていた従来の技術と異なり、一般的な化学繊維の上に基板と同じ金属回路を直接形成し、布地表面の凹凸にきめ細かく密着させることに成功した。

 これにより、従来品より電流が流れやすく、高密度な金属回路を布につけられるようになり、装着することで心拍数などの生態情報が得られるウエアラブル端末の高機能化が期待される。

 4月に東京で開かれる医療機器の展示会「メドテック ジャパン」に参考出品する予定で、同社研究開発部の浅井頼明次長は「世の中に広がり役に立ってこそ、すごい技術といえる。医療や健康科学、スポーツなど様々な分野での活用を探りたい」と意気込んでいる。

(ニュース和歌山2016年3月26日号掲載)